GM-CSFは肺胞マクロファージ機能を高め、インフルエンザウイルス抵抗性を増加させる可能性

最近のAJRCCMは基礎的な話が多い。

GM-CSF in the Lung Protects against Lethal Influenza Infection
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 184 (2) 157-158.


背景:
 肺胞マクロファージは、インフルエンザに対する宿主防御機能に
 寄与することが動物モデルでわかっている。肺胞マクロファージ機能を
 向上させることは、インフルエンザに対する抵抗性を高めるかもしれない。

目的:
 肺におけるGM-CSFの発現の増加が
 インフルエンザに対する抵抗性に関与するか調べる。

方法: 
 野生型マウスとGM-CSFが肺に発現した遺伝子導入マウスを
 インフルエンザウイルスに感染させ、肺病理、体重減少、死亡を
 調べた。また、インフルエンザウイルスに感染した野生型マウスへ
 GM-CSF投与した。

結果:
 感染した野生型マウスは全て死亡した。しかしながら、
 遺伝子導入マウスは生存した。後者マウスは、
 対照マウスに比べて迅速な炎症抵抗反応性がみられた。
 遺伝子導入マウスのインフルエンザ抵抗性は、
 肺胞貪食細胞を除去することによって無効にすることができるが
 T細胞、B細胞、好中球の喪失によっては無効にできない。
 遺伝子導入マウスは、野生型よりも多くの肺胞マクロファージを有し、
 これによりインフルエンザによるアポトーシスに抵抗しているものと
 推察される。鼻腔内へのGM-CSFは野生型マウスにインフルエンザへの
 抵抗性をもたらす。

結論:
 GM-CSFは肺胞マクロファージへの免疫機構を高めることによって
 インフルエンザ抵抗性を高めることができる。肺胞への
 サイトカインはインフルエンザウイルスによる死亡を減らす可能性が
 ある。

by otowelt | 2011-07-18 21:57 | 感染症全般

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