臨床的に寛解したサルコイドーシスにおける長期的な疲労感の問題

サルコイドーシスにおける疲労感の話題。
慢性疲労症候群の診断基準は以下の論文のものを使用。
International Chronic Fatigue Syndrome Study Group . The chronic fatigue syndrome: a comprehensive approach to its defi nition and study . Ann Intern Med . 1994 ; 121 ( 12 ): 953 - 959 .

サルコイドーシスの診断の確実性がlimitationであると
Discussionに述べられている。

Characterization of Chronic Fatigue in Patients With Sarcoidosis in Clinical Remission
CHEST 2011; 140(2):441 –447


背景:
 サルコイドーシスの患者において、しばしば疲労感を訴えることがあり
 これはサルコイドーシスが臨床的に寛解しても起こり得る。 
 このスタディの目的は、臨床的に寛解したサルコイドーシスの患者に
 おいて疲労感の重症度を評価することと、慢性疲労症候群(CFS)の
 国際的診断基準に照らし合わせることである。さらに、
 抑うつや不安、健康状態、睡眠の質が関連しているかどうかも評価し
 身体活動レベルと筋力も疲労の評価目的として記録した。
 
方法:
 75人の臨床的に寛解したサルコイドーシス患者に質問票を提示。
 (Checklist Individual Strength [CIS], Symptom Checklist-90,
 Beck Depression Inventory for primary care,
 Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey),
 それに加えて、インタビュー(CFS診断基準のため)、睡眠の質、加速度計、
 筋力テストを施行。

結果:
 疲労感の重症度の平均スコアは、臨床的に寛解したサルコイドーシス
 患者において高かった(CIS fatigue severity 30.5± 15.5),。
 またCFS基準はこれら疲労感を訴えた患者の47%で合致した。
 サルコイドーシス診断からの中央期間は9年であり、疲労感は 
 抑うつ( P=.01)、不安( P =.013)と関連し、健康状態の低下( P<.001)
 とも関連。睡眠の質に関しては問題なかった。身体活動レベルは
 疲労感のある患者において低下がみられた。筋力は、特にハンドグリップ
 ( P=.006)および大腿四頭筋力( P<.001)が有意に疲労感のある患者において
 低下していた。
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結論:
 臨床的に寛解したサルコイドーシス患者における疲労感は
 しばしばみられる症状であり、CFSに類似する
 長期に続くゆゆしき問題である。精神的な問題や健康状態の低下も
 疲労と関連しており、興味深いことに身体活動や筋力の低下が観察された。

by otowelt | 2011-08-04 05:02 | サルコイドーシス

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