低線量CTによるスクリーニングで肺癌死亡を減らすことができる

昨年末に話題になったスタディの論文である。

Reduced Lung-Cancer Mortality with Low-Dose Computed Tomographic Screening The National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2011; 365 : 395 - 409


背景:
 肺癌スクリーニング検査によって、肺癌死亡率を低下させる取り組みは
 肺癌の進行速度や不均一な性質上、難しい直面にぶつかってきた。
 低線量ヘリカルCTの登場により、肺癌スクリーニングの状況は一変し、
 さまざまな腫瘍が早期に検出されることがわかっている。
 アメリカ全土での肺検診試験(NLST)は、低線量CTを使用した
 スクリーニングによって肺癌死亡率が低下するかどうかを検討したものである。

方法:
 2002年8月~2004年4月に、アメリカ33 ヵ所の施設で
 肺癌のリスクが高い53454人を登録。参加者を、
 低線量CT群(26722人)と、胸部レントゲン正面像群(26732人)に
 ランダム割り付け。検査は年1回とし、合計3回施行した。
 2009年末までに発生した肺癌症例と肺癌死亡例のデータを検証した。

結果:
 スクリーニング受診率は90%以上であった。スクリーニング検査陽性の
 割合は、3回の検査を合わせて低線量CTで24.2%、レントゲンで6.9%。
 全体で、低線量CT陽性例の96.4%とレントゲン陽性例の94.5%が偽陽性。
 肺癌発生率は、低線量CT群100000人年あたり645例(1060 cancers)に
 たいして、レントゲン群100000人年あたり572例(941 cancers)であった
 (rate ratio 1.13,95%CI 1.03~1.23)。肺癌死亡は
 低線量CT群100000人年あたり247例、レントゲン群100000人年あたり
 309例で、低線量CTスクリーニングによる肺癌死亡率の相対的低下は
 20.0%(95% CI 6.8~26.7,P=0.004)だった。全死因死亡率は
 低線量CT群においてレントゲン群と比べて
 6.7%(95% CI 1.2~13.6,P=0.02)低下。
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結論:
 低線量CTによる肺癌スクリーニングによって肺癌死亡率は低下する。

by otowelt | 2011-08-08 05:01 | 肺癌・その他腫瘍

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