肺腺癌においてthymidylate synthase遺伝子発現レベルは低い

最近論文でよくみかけるthymidylate synthaseの話。
アリムタとのからみで、個人的にも勉強が必要かもしれない。

Thymidylate synthase (TS) gene expression in primary lung cancer patients: a large-scale study in Japanese population
Annals of Oncology 22: 1791–1797, 2011


背景:
 過去の小規模スタディによれば、thymidylate synthase (TS)の発現が
 肺腺癌において低いとき、ペメトレキセドのような
 TS阻害活性の腫瘍活性について説明ができるかもしれない。

患者および方法:
 TS遺伝子発現を日本人2621人の肺癌において検査。
 検体にreal-time reverse transcription–PCRを用いた。
 癌病巣のまわりに正常マージンを付加。

結果:
 TS遺伝子発現は、正常肺組織に比べて有意に高かたt
 (mean TS/b-actin, 3.4 and 1.0, respectively; P < 0.01)。
 またTS遺伝子発現レベルは、浸潤リンパ節においても高かった
 (mean TS/b-actin, 7.7; P < 0.01)。
 TS遺伝子発現レベルの解析を原発巣でおこなった場合
 小細胞癌はTS発現が最も高く(mean TS/b-actin, 13.8)、扁平上皮癌で
 腺癌に比べて高かった (mean TS/b-actin, 4.3 and 2.3,respectively;
 P < 0.01)。TS遺伝子発現は腫瘍細胞の分化が未分化であるほど高かった。
e0156318_19283919.jpg
結論:
 大規模スタディにより、腺癌においては低いTS発現であることが明らかとなった。

by otowelt | 2011-08-08 19:31 | 肺癌・その他腫瘍

<< 経胸壁肺生検における気胸の合併... 低線量CTによるスクリーニング... >>