肥満はインフルエンザシーズンにおける呼吸器疾患による入院のリスク

10年以上におよぶ、インフルエンザの大規模コホート試験。

Obesity and Respiratory Hospitalizations During Influenza Seasons in Ontario, Canada: A Cohort Study
Clinical Infectious Diseases 2011;53(5):413–421


背景:
 以前のスタディでは、肥満はインフルエンザA(H1N1)感染における
 合併症のリスク因子であると示唆されている。
 われわれは、肥満と呼吸器病院への入院との関連性について
 季節性インフルエンザ流行期に調査をおこない、
 個々において、確立された重篤なリスク因子を除いて
 このリスクに対する関連性があるかどうか調べた。

方法:
 12インフルエンザシーズン(1996 –1997 から2007–2008)における
 大規模コホート試験において82545人(18歳ー64歳)を登録した。
 (カナダ、オンタリオ州)
 18歳から64歳までのサーベイランスを受けた成人で、
 ロジスティック回帰分析をおこない、自己申告BMIと選択された呼吸器疾患
 による入院との関連性を調べた。
 (肺炎、インフルエンザ、ARDS、慢性肺疾患:ICD-10コードで検索)

結果:
 肥満のclass I (BMI, 30–34.9) (OR, 1.45 [95% CI, 1.03–2.05])、
 class II or III (BMI≧35)(OR, 2.12 [95% CI, 1.45–3.10])は
 インフルエンザ期における呼吸器病院への入院のリスクであった。
 肥満class II or IIIにおいて、過去に同定されたリスク因子をのぞく
 個々の患者においても同様のリスクが認められた
 (OR, 5.10 [95% CI, 2.53–10.24])。これはリスク因子が1つあった場合も
 同様であった(OR, 2.11 [95% CI, 1.10–4.06])。
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結論:
 他の慢性リスク因子がない重度の肥満の成人において、
 インフルエンザシーズンは呼吸器病院への入院リスクを増加させる。
 この群において、ワクチン、抗ウイルス療法などインフルエンザ対策の
 優先度を考慮する必要があるだろう。

by otowelt | 2011-08-16 10:45 | 感染症全般

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