イギリスにおけるMRSAユニバーサルスクリーニングは妥当か

Review of a three-year meticillin-resistant Staphylococcus aureus screening programme
Journal of Hospital Infection Volume 78, Issue 2, June 2011, Pages 81-85


 Newcastle upon Tyne Hospitals NHS Foundation Trust(NuTH)
 は2006年に、MRSAの保菌および感染を最小限に抑えるために
 seek and destroy;S&Dプログラムを開始した。
 これを段階的に導入し、2008年9月までに全診療科を計画に入れた。
 これはイギリス保健省による全患者のスクリーニングの義務化より
 以前のプログラムである。

 NuTH はchromogenic culture methodによれば、
 1ヵ月あたり約15000例の鼻、咽喉、陰部の
 スクリーニングを行った。結果、MRSA陽性率は平均2.4%だった。
 微生物・感染管理サービスを週7日体制で提供し、除菌療法までに
 要する時間を24時間未満とした。168073にのぼる試料解析結果から、
 MRSAの検出率を向上させるためには、3 か所スクリーニング部位の
 全部を対象とする必要があることがわかった。

 典型的な1ヵ月間のデータのレビューから、MRSA保菌者であることが
 同定できなかったであろう患者数は、イギリス保健省の
 ユニバーサルスクリーニングとの比較で、日帰り入院の7例のみ。
 これらの患者を追加的に検出するために要する検査費用の総額は
 1ヵ月で20000ポンドであり、そののちに発生するMRSA陰性患者は
 4200例だった。

 リスクに基づくスクリーニング方策は、イギリスで求められている
 ユニバーサルプログラムよりも実用的かつ費用対効果が高いのではないか。

by otowelt | 2011-08-21 17:16 | 感染症全般

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