インピーダンス閾値弁装置を標準CPRに加えても、予後改善効果はない

以前LancetにACDの論文があった。
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Standard cardiopulmonary resuscitation versus active compression-decompression cardiopulmonary resuscitation with augmentation of negative intrathoracic pressure for out-of-hospital cardiac arrest: a randomised trial. Lancet. 2011 Jan 22;377(9762):301-11.

今回、NEJMからITDの論文が出た。
ACD-CPRとともに有効とされていたが、
この論文では、改善はみられなかった。

A Trial of an Impedance Threshold Device in Out-of-Hospital Cardiac Arrest
N Engl J Med 2011;365:798-806.


背景:
 インピーダンス閾値弁装置(ITD)は、胸腔内圧の陰圧を増加させ
 CPR時の静脈還流量と心拍出量を増加させることができる。
 以前の研究では、CPR時にITDを使用することで心停止後生存率が
 改善する可能性があるとされた。

方法:
 アメリカとカナダにある10の施設で、院外CPA患者を対象とし
 標準的CPRにおいてITD装置を使用した場合とプラセボITD(sham ITD)を
 使用した場合で比較。プライマリアウトカムは、十分な機能
 (修正Rankin scaleで3以下)での生存退院とした。

結果:
 8718人のうち、4345人がプラセボ群、4373人がITD装置群にランダムに
 割り付け。プライマリアウトカム基準を満たした患者は、ITDのプラセボ群
 では260人(6.0%)、ITD装置群では254人(5.8%)だった
 (補正後リスク差 -0.1 %ポイント、95%CI -1.1~0.8,P=0.71)。
 救急部へ到着した時点での心拍再開率、生存した状態での入院率、
 生存退院率などを含むセカンダリアウトカムにも差はなかった。

結論:
 院外CPA患者に対する標準的CPRにITDを使用しても、
 十分な機能を有した状態での生存率に改善はない。

by otowelt | 2011-09-02 05:01 | 救急

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