ICUでの人工呼吸器装着患者における呼吸困難感

人工呼吸器装着患者における”呼吸困難感”に
テーマをおいた論文。

Schmidt, Matthieu, et al. Dyspnea in mechanically ventilated critically ill patients.
Critical Care Medicine. 39(9):2059-2065, September 2011


目的:
 ICUにおいて患者の快適さを保持することは
 きわめて重要である。疼痛コントロールについては長らく
 注目がおかれてきたものの、人工呼吸器装着患者における
 呼吸困難のデータというのは不足している。
 このスタディの目的は、人工呼吸器装着患者における
 呼吸困難の頻度を評価し、臨床的相関性を同定し
 アウトカムに与えるインパクトを調べるものである。

デザイン:
 プロスペクティブ観察試験、6ヶ月

セッティング:
 大学病院の2ICU

患者:
 挿管あるいは気管切開された患者で人工呼吸器を
 24時間をこえて装着しているもの。96人の患者を登録した。
 (年齢 61 ± 18 yrs; Simplified Acute Physiology Score II 43
 [interquartile range, 31–60]) 呼吸困難は“yes–no”バイアスで
 評価され、もしyesならVASでフォローアップし、
 ”空気飢餓感”かつ/または”呼吸努力”といった表記選択をおこなった。
 疼痛と不安感はVASでおこなった。

結果:
 45人の患者(47%)が呼吸困難感を訴えた。その内訳は
 呼吸努力7人、空気飢餓感15人、両方16人、いずれにも当てはまらない
 ものが7人であった。呼吸困難を訴えた患者と訴えなかった患者では
 年齢、Simplified Acute Physiology Score II、人工呼吸器適応条件、
 呼吸数、臨床検査、胸部レントゲン、血液ガスに差はなかった。
 呼吸困難は有意に不安感と関連(OR 8.84; 95%CI 3.26–24.0)、
 またアシストコントロール換気(OR, 4.77; 95% CI, 1.60–4.3)、
 心拍数(OR, 1.33 per 10 beats/min; 95% CI, 1.02–1.75)と関連。
 人工呼吸器セッティングの調整により呼吸困難は35%の患者で改善した。
 3日以内の抜管成功は、呼吸困難軽減が呼吸器調整で達成できなかった
 患者において有意に低かった(5人[17%] vs. 27人[40%]; p = .034).

結論:
 人工呼吸器装着患者において呼吸困難感は頻繁にみられるものであり
 不安感と有意に関連している。人工呼吸器の調整によって改善できる
 可能性があり、抜管の遅延とも関連していると考えられる。

by otowelt | 2011-09-11 22:05 | 集中治療

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