エアロゾル化ブドウ球菌の伝播の可能性

Aerosol survival of Staphylococcus epidermidis
Journal of Hospital Infection
Volume 78, Issue 3, 2011, Pages 216-220


背景:
 近年の研究から、エアロゾルの拡散はMRSA伝播に
 関与している可能性があるが、エアロゾル中のブドウ球菌の
 生存が可能かどうかを検証した文献は少ない。

方法:
 黄色ブドウ球菌のかわりにエアロゾル中の
 Staphylococcus epidermidisの生存率を計測し、
 生存に対する相対湿度の影響を検討。
 Goldberg drumを用いて、相対湿度が <20%、
 40%~60%、70%~80%、>90%の場合の生存を評価。
 S. epidermidis回収率とエアロゾル中で安定な
 Bacillus atrophaeus芽胞回収率の比を用いて、S.epidermidis
 の経時的な分解率を推計し、エアロゾル希釈/物理的崩壊の影響を補正。
 
結果:
 全相対湿度において、300分後には初回の放出エアロゾルの
 13%(95%CI10.1%~16.2%)が回収された。
 平均生存率比(%S. epidermidis/%B. atrophaeus)は
 47%(95%CI 33.5%~60.5%)だった。
 
結論:
 各湿度における平均生存率比の95%CIが一部分重複して
 いることから、湿度はエアロゾル中のS. epidermidis生存に
 対してあまり影響を与えないかもしれない。
 S. epidermidisは76%湿度で5日後にも回収される可能性がある。
 エアロゾル中でのS. epidermidisが生存することがわかり、
 すなわち院内でのブドウ球菌のエアロゾル伝播が示唆される。

by otowelt | 2011-09-17 20:41 | 感染症全般

<< ペニシリン、セフェムアレルギー:メモ 小児におけるアデノイド切除は上... >>