パラコート中毒による肺線維症をアンブロキソールが軽減できる可能性がある

農薬を飲んで救急車で搬送され、その時は助かってよかったと
一瞬頭をよぎったとしても、のちに到来する重篤な肺傷害を
止められずに絶命することが多いのが、パラコート中毒である。
農薬を飲んだあと、緑色の嘔吐を繰り返すので
診断は比較的容易である。

Protective Effect of Ambroxol against Paraquat-induced Pulmonary Fibrosis in Rats
Intern Med 50: 1879-1887, 2011


目的:
 パラコートによる肺線維症に対してアンブロキソールによる
 治療的効果を評価する。

方法:
 オスの成人Sprague-Dawleyラット(n =144, 200-250 g)を
 4群(Control,Ambroxol, Paraquat, and Paraquat+Ambroxol group)
 に分けて、day 1, 3, 5, 7, 14, 28に生体解析した。
 ストレスマーカーであるMDA, SOD,GSH-PXやMPO活性、サイトカイン
 (TNF-α, MCP-1, TGF-β1, MMP-2, TIMP-1)、炎症細胞数、
 ヒドロキシプロリン含有量、コラーゲンI・III mRNAが解析された。

結果:
 パラコート群において、MDA, MPO活性、ヒドロキシプロリン含有、
 TNF-α, MCP-1, TGF-β1, MMP-2, TIMP-1, collagen I, collagen IIIの
 mRNA発現、総炎症細胞数は肺組織においてup-regulateされていた。
 しかし、SOD・GSH-PX活性はコントロールに比べて
 down-regulateしていた(p<0.05)。パラコート+アンブロキソール群では
 MDA, MPO活性、ヒドロキシプロリン含有、TNF-α, MCP-1, TGF-β1, MMP-2,
 TIMP-1 collagen I, collagen III のmRNA発現、炎症細胞数は
 有意に減少していた。一方、SOD・GSH-PX活性は肺組織において
 パラコート群では増加していた(p<0.05)。
 アンブロキソルは、肺線維症を防ぎ肺組織ダメージを軽減するかもしれない。

結論:
 このスタディにおいて、アンブロキソールは肺組織ダメージを軽減し、
 パラコートによる肺線維症を予防することができるかもしれないと考えられる。

by otowelt | 2011-09-21 05:34 | 呼吸器その他

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