タルクによる胸膜癒着においてARDSなどの重篤な合併症は観察されなかった

P-O. Bridevaux, et al. Short-term safety of thoracoscopic talc pleurodesis for recurrent primary spontaneous pneumothorax: a prospective European multicentre study
Eur Respir J 2011; 38: 770–773


背景:
 タルクによる胸膜癒着の安全性は、タルクによるARDSとその死亡
 の報告があるため、まだ議論の余地がある。
 われわれは、原発性肺気胸の再発を高分子タルクによる胸腔鏡下の
 胸膜癒着をおこなうことの安全性を評価した。

方法:
 418人の再発気胸の患者が2002年から2008年の間に
 ヨーロッパ、南アフリカの9施設で登録された。
 主要な除外基準は、感染症、心疾患、凝固異常とした。
 ARDSや死亡などの重篤な有害事象が処置後30日間記録された。
 胸腔鏡での2gタルクでの癒着処置後、
 酸素飽和度、酸素療法の使用、体温などが記録された。

結果: 
 30日におよぶ観察期間において、ARDS発症は1例もなかった
 (95% CI 0.0–0.9%)。また、ICU入院や死亡についてもみられなかった。
 7人の患者が小さな合併症を訴えた(1.7%, 95% CI 0.7–3.4%)。
 胸膜癒着後、平均体温はday1において0.41℃上昇した
 (95% CI 0.33–0.48℃; p<0.001)ものの、day5には戻っていた。 
 ドレーンは80%の患者でday4で抜去された。
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結論:
 タルクによる胸膜癒着術ののち、ARDSや死亡を含む重篤な合併症は
 大規模多施設共同試験において、観察されなかった。
 高分子タルクによる胸膜癒着術は再発性気胸を予防する上で安全であると思われる。

by otowelt | 2011-10-03 06:45 | 呼吸器その他

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