ERS2011:イマチニブはPAH患者の運動耐容能を有意に改善

ERSで話題をよんだ内容。

Hoeper M, et al. Imatinib in pulmonary arterial hypertension, a randomized, efficacy study (IMPRES). Data presented at the European Respiratory Society (ERS) Annual Congress. Abstract No. 413. Presented 25th September 2011, 12.15, Room D203 - 204.

背景:
 原発性肺高血圧症(PAH)は、心臓と肺に影響をもたらす
 世界的には26万人が罹患しており、
 心不全によって死亡する難治性の疾患である。
 イマチニブはチロシンキナーゼに対する分子標的薬であり、
 慢性骨髄性白血病、KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、
 フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病などに用いられている。
 IMPRES試験は多施設による24週間の観察期間での
 ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験である。
 
方法:
 PAH治療薬(エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5阻害薬
 および/またはプロスタサイクリン製剤)の2剤以上を使用しているPAH患者で
 肺血管抵抗の上昇が認められる202人を対象に経口イマチニブの追加投与
 することで、有効性と安全性を評価する。
 イマチニブ1日1回200mgの投与から開始し、忍容性が良好な場合
 2週間後に1日1回400mgに増量する。また、逆に忍容性が不良な場合
 1日1回200mgに減少することも可とする。
 
結果:
 プライマリエンドポイントである24週間後の6分間歩行距離(6MWD)が、
 イマチニブ群ではプラセボに比べて平均31.8m増加(P=0.002)。
 セカンダリエンドポイントである、PAHによる入院・死亡、機能悪化、
 6MWDの15%低下までの期間についてはプラセボとの有意差はなかった
 (P=0.563)。しかしながら、肺動脈圧、心拍出量および肺血管抵抗は
 有意に改善した(all for P<0.001)。
 有害事象の発生率に関しては、統計学的には両群で同等だったが
 イマチニブにやや多い傾向がみられた。

結論:
 既治療PAHにおいてイマチニブは運動耐容能を改善する。

by otowelt | 2011-10-04 17:02 | 呼吸器その他

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