saddle pulmonary embolismのアウトカムは認識されているよりも良好である

サドル型の肺塞栓は、発症が急性か慢性かで
全くアウトカムが異なるような気がするのは
私だけだろうか?

Alejandro Sardi, et al.
Saddle pulmonary embolism: Is it as bad as it looks? A community
hospital experience
Crit Care Med 2011; 39:2413–2418


背景:
 サドル型の肺塞栓:saddle pulmonary embolismは
 巨大な血栓によって引き起こされ、急速な血行動態の不安定を
 惹起する。しかしながら、臨床所見やアウトカムにはばらつき
 がみられる。超音波による右心機能、CT血管造影、心筋酵素上昇
 に基づいて血栓溶解剤やカテーテル血栓除去を血行動態不安定な
 患者に使用することに疑問の声もある。
 
目的:
 saddle pulmonary embolismのアウトカムとマネジメント
 について、放射線学的所見やエコーの特徴とともに調べる。

結果:
 2004年6月1日から2009年2月28日まで
 レトロスペクティブに肺塞栓患者に対しておこなった 
 CT血管造影を評価した。2人の放射線科医により
 saddle pulmonary embolismを抽出し、
 the clot burden scoreを評価した。
 臨床情報、エコー、治療法、アウトカムについても
 診療録により抽出された。
 saddle pulmonary embolismは、680人のうち37人に
 認められた(5.4%, 95% CI 4% to 7%)。
 saddle pulmonary embolismの患者は、年齢中央値60歳で、
 41%が男性であった。主要な合併症は神経疾患(24%)、
 最近の外科手術(24%)、悪性疾患(22%)であった。
 低血圧が14%に認められ、遷延性のショックが8%にみられた。
 1人の患者が人工呼吸器を要した。エコーは27人(73%)の
 患者に行われた。右室の拡張と機能不全が78%に認められた。
 67%の患者で肺動脈収縮期圧の上昇がみられた。
 CT血管造影では、中央値31ポイントというclot burden scoreであった。
 右室左室径比は中央値で1.39であった。未分画ヘパリンは
 33人(87%)の患者に投与され、血栓溶解療法は4人(11%)に
 おこなわれた。入院日数中央値は9日であった。37人のsaddle
 pulmonary embolismのうち2人(5.4%)が
 死亡した(95%CI 0.7% to 18%)。
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結論:
 CT血管造影で同定されたsaddle pulmonary embolismの患者の
 ほとんどは標準マネジメントによく反応した。不吉な見た目では
 あるが、saddle pulmonary embolismはおおむね血行動態は
 安定しており、血栓溶解療法や他のインターベンションを要しない。

by otowelt | 2011-11-09 21:51 | 呼吸器その他

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