胸部レントゲンによる肺癌検診は、肺癌死亡率に寄与しない

Oken MM et al.
Screening by chest radiograph and lung cancer mortality: the Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian (PLCO) randomized trial.
JAMA. 2011 Nov 2;306(17):1865-73.


背景:
 胸部レントゲンを撮影することの肺癌スクリーニングの死亡率への寄与は
 明らかにされていない。
 
目的:
 胸部レントゲンを使用した肺癌スクリーニングの死亡率への寄与を
 調べるPLCO試験を評価する。
 PLCO:the Prostate, Lung, Colorectal, andOvarian (PLCO)
      Cancer Screening Trial
方法:
 PLCOは前立腺、肺、大腸、卵巣の4つのがんスクリーニングを対象と
 したもので、被験者は毎年スクリーニングを受ける群と、通常ケアを
 受ける群に割り付けられた。
 被験者の胸部レントゲンによる肺癌スクリーニングの死亡率の寄与を調べた。
 1993~2001年にかけて、55~74歳の154901人がランダムに割り付けられ、
 一方の群(77445人)には年1回の胸部レントゲン撮影による肺癌
 スクリーニング検査が4年間にわたって施行された。
 コントロール群(77456人)には通常ケアが行われた。
 プライマリアウトカムは肺癌死亡率、セカンダリアウトカムは肺癌罹患率と
 診断的検査処置による合併症、総死亡率とした。

結果:
 期間中の累積肺癌罹患率は、1万人・年当たり、胸部レントゲン検診群20.1、
 コントロール群19.2と、両群で有意な差は観察されなかった
 (累積肺癌罹患率比:1.05、95%CI:0.98~1.12)。
 同期間中の肺癌死亡数も、検診群1213人、コントロール群1230人と、
 両群で同等だった(肺癌死亡率比:0.99、95%CI:0.87~1.22)。

結論:
 胸部レントゲンによる年1回の肺癌検診は、通常のケアに比べて
 死亡率を減少させることはない。

by otowelt | 2011-11-16 06:29 | 肺癌・その他腫瘍

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