早期経腸栄養に経静脈栄養を追加しても臨床的なアウトカムは変わらない

早期経腸栄養が重要であることはすでにわかっているが、
経静脈栄養を追加することの利益について論じている。

Kutsogiannis, Jim , et al.
Early use of supplemental parenteral nutrition in critically ill patients: Results of an international multicenter observational study
Critical Care Medicine: December 2011 - Volume 39 - Issue 12 - pp 2691-2699


目的・デザイン:
 追加経静脈的栄養の効果を、早期経腸栄養単独と比較して
 栄養・臨床的アウトカムを評価する多施設共同観察研究。
 29ヶ国、226ICUから登録。

患者:
 ICUに72時間を超えて入室している成人の人工呼吸器装着患者で
 入院して48時間以内に早期栄養を開始された患者を対象とする。
 
介入:
 患者の特徴に関するテーダを収集し、日ごとの栄養評価を
 12日目まで記録。患者アウトカムは60日後まで記録された。

結果:
 早期に経腸栄養単独の群と、早期経腸栄養+早期経静脈栄養の群、
 早期経腸栄養+後期経静脈栄養(入院後48時間よりあと)の群を比較。
 栄養戦略の効果を決定するためにCox回帰分析がおこなわれた。
 2920人の患者がこのスタディに登録され2562人(87.7%)が
 早期経栄養群、188人(6.4%)が早期経静脈栄養群、170人(5.8%)が
 後期経静脈栄養群であった。カロリーとタンパクの適正度合いは
 早期経静脈栄養群で最もたかかった(81.2% and 80.1%)が、
 早期経腸栄養群で最も低かった(63.4% and 59.3%) (p < .0001)。
 60日死亡率は早期経腸栄養群27.8%、早期経静脈栄養群34.6%、
 後期経静脈栄養群35.3%であった(p = .02)。

結論:
 経静脈栄養を加えることによって、カロリーとタンパクの
 供給が改善するかもしれないが、臨床的な利益と関連はしていない。

by otowelt | 2011-11-23 21:59 | 集中治療

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