人工呼吸器装着患者における気管切開の短期的アウトカムへの影響

気管切開のタイミングについて、
主に短期的アウトカムについての話題。

Fei Wang, et al.
The Timing of Tracheotomy in Critically Ill Patients Undergoing Mechanical Ventilation
A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials


背景:
 このスタディの目的は、早期ないしは後期に気管切開を受けた
 人工呼吸を要する重症患者のアウトカムを比較するため
 システマティックレビューをおこないランダム化試験を統合的に評価したものである。

方法:
 PubMed, CINAHL, Embase, Cochraneなどから
 RCTを抽出。早期気管切開と後期気管切開/挿管状態の遅延を
 比較したRCTを組み込んだ。

結果:
 7試験で1044人が解析された。気管切開は短期的な死亡率に
 関与しなかった(RR, 0.86; 95% CI, 0.65-1.13)。また
 長期的な死亡率(RR, 0.84; 95% CI,0.68-1.04)やVAPの頻度
 (RR, 0.94; 95% CI, 0.77-1.15)にも寄与しなかった。気管切開の
 タイミングは人工呼吸器装着期間の減少には関連しておらず
 (WMD, 2 3.90 days;95% CI, 2 9.71-1.91)、
 鎮静期間(WMD, 2 7.09 days; 95% CI, 2 14.64-0.45)、
 ICU在室日数減少(WMD, 2 6.93 days; 95% CI, 2 16.50-2.63)、
 在院日数(WMD, 1.45 days; 95% CI, 2 5.31-8.22)、
 より多くの合併症(RR, 0.94; 95% CI, 0.66-1.34)とも関連していなかった。
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結論:
 今回のメタアナリシスでは、気管切開のタイミングは
 有意に臨床的アウトカムには影響を与えなかった。
 人工呼吸器装着期間と鎮静期間などの気管切開に伴う
 長期的アウトカムについては、将来的にしっかりとした
 RCTで評価されるべきである。

by otowelt | 2011-12-07 10:01 | 集中治療

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