結核診断における気管支鏡後の喀痰の有用性

夏に発表されて議論を呼んだ論文。
11月に掲載されていたようだ。
「気管支鏡によって気管支をこじあけたから」という
まことしやかなウワサが呼吸器内科医の間にはあるが
実際のところはどうなのか…。

George PM, et al.
Post-bronchoscopy sputum: improving the diagnostic yield in smear negative pulmonary TB.
Respir Med. 2011 Nov;105(11):1726-31.


背景:
 抗酸菌塗抹が陰性あるいは喀痰が出ない患者で
 活動性肺結核を疑われる場合は気管支鏡を施行する。
 しかしながら、気管支鏡後の喀痰採取はルーチンには施行していない。
 このスタディは、気管支鏡後喀痰の潜在的診断能について
 評価したものである。

方法:
 ロンドン大学病院で2004年1月から2010年12月までに
 微生物学的に活動性肺結核と診断された患者を
 レトロスペクティブに調査。塗抹陰性あるいは喀痰が出ない患者で
 気管支鏡後7日以内に採取できた喀痰を登録した。
 
結果:
 236人が塗抹陰性の活動性結核と微生物学的に診断され、57人が
 スタディに組み込まれている。15人(26.3%)はHIVに感染しており、
 19人(33.3%)が気管支鏡後に塗抹陽性化がみられ、5人(8.8%) は
 気管支鏡後喀痰においてのみ排他的に塗抹陽性であった。
 気管支鏡後喀痰の43人(75.4%)で培養陽性であり、4人(7.0%) は
 気管支鏡後喀痰においてのみ排他的に培養陽性であった。

結論:
 気管支鏡後喀痰は結核診断における迅速な手法となりうる。
 このコホートでは、結核菌培養陽性は気管支鏡後喀痰検査を通して
 7%の上昇がみられた。このスタディによれば、検査後に3分の1以上の
 患者が感染性を有するため感染制御上も重要なものである。

by otowelt | 2011-12-15 14:01 | 抗酸菌感染症

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