ICUの重症患者におけるサイトメガロウイルス血清陽性は臨床転帰に影響を与えない

ICUとサイトメガロウイルスの話題。

De Vlieger, Greet, et al.
Cytomegalovirus serostatus and outcome in nonimmunocompromised critically ill patients
Critical Care Medicine. 40(1):36-42, January 2012.


目的:
 重症患者におけるサイトメガロウイルス再活性化の影響については
 明らかになっておらず、サイトメガロウイルスが血清学的に陽性の場合
 予防的な治療が考慮される。このスタディは、非免疫不全重症患者における
 サイトメガロウイルスの血清学的な陽性と臨床転帰との関連をみたものである。

デザイン・方法・患者:
 1900床規模の病院における17床の内科ICU、56床の外科ICUで
 行われたレトロスペクティブ試験である。
 ICU患者においてサイトメガロウイルス血清データを採取。
 プライマリエンドポイントはICU死亡率とした。セカンダリエンドポイントは
 院内死亡、ICU・病院からの生存退院までの期間、
 生存した状態での人工呼吸器離脱までの期間、血液透析の必要性とした。
 患者は1504人の非免疫不全重症患者でICUに少なくとも3日以上
 在室しているものとした。血液悪性腫瘍、移植、免疫抑制治療、DNRオーダー
 の患者は除外された。

結果:
 64人の患者がサイトメガロウイルスが血清学的に陽性であった。
 多変量解析では、ICUあるいは院内死亡率に何ら関連はなかった。
 セカンダリエンドポイントにも寄与しなかった。

結論:
 ICU重症患者において、サイトメガロウイルスが血清学的に陽性である
 場合、それは臨床転帰に影響を与えない。この試験によれば
 重症患者における血清陽性サイトメガロウイルスの予防治療は
 積極的にすすめられるものではない。
 

by otowelt | 2011-12-22 13:12 | 感染症全般

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