ESBL産生大腸菌に対してβラクタム/βラクタマーゼ阻害薬は有効

ESBLに対するβラクタマーゼ阻害薬はin vitroで有用であることが
示唆されており、臨床的なデータは乏しい。
Extended-spectrum b-lactamase: a clinicalupdate. Clin Microbiol Rev 2005; 18:657–86.

今回の結果は特に尿路と胆管由来のESBL産生大腸菌に
有用であるとの結果であった。

Jesus Rodriguez-Bano, et al.
β-Lactam/β-Lactam Inhibitor Combinations for the Treatment of Bacteremia Due to
Extended-Spectrum b-Lactamase–Producing Escherichia coli: A Post Hoc Analysis of Prospective Cohorts
Clinical Infectious Diseases 2012;54(2):167–74


背景:
 基質拡張型βラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL-EC)は、侵襲性感染症の 
 原因として重要である。カルバペネマーゼ産生の腸内細菌の増加から
 カルバペネムの代替薬が望まれている。 ESBLにおける
 βラクタム/βラクタマーゼ阻害薬(BLBLI)の効果については議論の余地がある。

方法:
 筆者はESBL-ECによる血流感染患者について
 6つのプロスペクティブコホート文献からpost hoc解析を施行した。
 利用可能なBLBLIであるアモキシシン-クラブラン酸(AMC)と
 ピペラシリン-タゾバクタム(PTZ)あるいはカルバペネム系抗菌薬で
 2つのコホート:経験的治療、確定的治療 において
 死亡率と在院日数を比較。

結果:
 経験的治療コホートにおいて103人の患者が登録し
 (BLBLI, 72; carbapenem, 31)、確定的治療コホートにおいて
 174人が登録(BLBLI, 54;carbapenem, 120)。30日死亡率は
 BLBLIとカルベペネムでそれぞれ
 経験的治療コホート:9.7% vs 19.4%
 確定的治療コホート:9.3% vs 16.7% (P= .2, log-rank test)。
 交絡因子補正後においても、統計学的な差はなし。
 経験的治療コホート:(HR, 1.14; 95% CI, .29–4.40; P=.84)
 確定的治療コホート:(HR, 0.76; 95% CI,.28–2.07; P=.5)。
 在院日数についても影響はなし。
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結論:
 AMCやPTZはESBL-EC血流感染患者におけるカルバペネムの代替薬
 となりうることが示唆される。

by otowelt | 2011-12-29 15:21 | 感染症全般

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