卵巣癌に対するカルボプラチン+パクリタキセルへのベバシズマブ上乗せ効果
2011年 12月 31日
NEJMで読むものがなかったので。
婦人科領域では大事な試験になるのだろう。
R.A. Burger, et al.
Incorporation of Bevacizumab in the Primary Treatment of Ovarian Cancer
N Engl J Med 2011; 365:2473-2483
背景:
VEGFは、上皮性の卵巣癌における血管新生と増悪の主な促進因子。
抗血管内皮増殖因子モノクローナル抗体のベバシズマブ(アバスチン)
は、再発例において単剤で効果が確認されている。
本研究では、ベバシズマブを標準的な卵巣癌治療の
ファーストラインに追加する。
方法:
二重盲検プラセボ対照3相試験において、
腫瘍減量術:debulking surgeryを受けた後、III期(不完全切除)
あるいはIV期の上皮性卵巣癌と新規に診断された患者を適格とし
3つの治療群のいずれかにランダムに割り付けた。
全ての群において3週1サイクルとして、1~6サイクルに
パクリタキセル175 mg/m2+カルボプラチンAUC6を
静注する化学療法を行い、2~22サイクルに試験薬を投与。
コントロール群には、化学療法+2~22サイクルプラセボを投与。
ベバシズマブ導入治療群には、
化学療法+2~6サイクルベバシズマブ(15 mg/kg 体重)を投与、
7~22 サイクルにプラセボを投与。
ベバシズマブ全期間治療群には、化学療法に加え、
2~22 サイクルにベバシズマブを投与。
プライマリエンドポイントはPFS。
結果:
1873人を登録。PFS中央値は、コントロール群10.3ヵ月、
ベバシズマブ導入群11.2ヵ月、ベバシズマブ全期間群14.1ヵ月。
コントロールと比較した増悪・死亡のHRは、ベバシズマブ導入群
0.908(95%CI 0.795~1.040,P=0.16)、ベバシズマブ
全期間群 0.717(95% CI 0.625~0.824,P<0.001)。
薬物投与を要する高血圧の発生率は、ベバシズマブ導入群(16.5%)
やベバシズマブ全期間群(22.9%)がコントロール群(7.2%)より
高かった。
結論:
進行期の上皮性卵巣癌患者において、
カルボプラチン+パクリタキセルの期間中ないし終了後10ヵ月
までベバシズマブを用いることで、PFS中央値が4ヵ月延長。
婦人科領域では大事な試験になるのだろう。
R.A. Burger, et al.
Incorporation of Bevacizumab in the Primary Treatment of Ovarian Cancer
N Engl J Med 2011; 365:2473-2483
背景:
VEGFは、上皮性の卵巣癌における血管新生と増悪の主な促進因子。
抗血管内皮増殖因子モノクローナル抗体のベバシズマブ(アバスチン)
は、再発例において単剤で効果が確認されている。
本研究では、ベバシズマブを標準的な卵巣癌治療の
ファーストラインに追加する。
方法:
二重盲検プラセボ対照3相試験において、
腫瘍減量術:debulking surgeryを受けた後、III期(不完全切除)
あるいはIV期の上皮性卵巣癌と新規に診断された患者を適格とし
3つの治療群のいずれかにランダムに割り付けた。
全ての群において3週1サイクルとして、1~6サイクルに
パクリタキセル175 mg/m2+カルボプラチンAUC6を
静注する化学療法を行い、2~22サイクルに試験薬を投与。
コントロール群には、化学療法+2~22サイクルプラセボを投与。
ベバシズマブ導入治療群には、
化学療法+2~6サイクルベバシズマブ(15 mg/kg 体重)を投与、
7~22 サイクルにプラセボを投与。
ベバシズマブ全期間治療群には、化学療法に加え、
2~22 サイクルにベバシズマブを投与。
プライマリエンドポイントはPFS。
結果:
1873人を登録。PFS中央値は、コントロール群10.3ヵ月、
ベバシズマブ導入群11.2ヵ月、ベバシズマブ全期間群14.1ヵ月。
コントロールと比較した増悪・死亡のHRは、ベバシズマブ導入群
0.908(95%CI 0.795~1.040,P=0.16)、ベバシズマブ
全期間群 0.717(95% CI 0.625~0.824,P<0.001)。
薬物投与を要する高血圧の発生率は、ベバシズマブ導入群(16.5%)
やベバシズマブ全期間群(22.9%)がコントロール群(7.2%)より
高かった。
結論:
進行期の上皮性卵巣癌患者において、
カルボプラチン+パクリタキセルの期間中ないし終了後10ヵ月
までベバシズマブを用いることで、PFS中央値が4ヵ月延長。
by otowelt
| 2011-12-31 23:13
| 肺癌・その他腫瘍