肺MAC症における予後予測因子

埼玉の循環器・呼吸器病センターからの論文。

Makoto Hayashi, et al.
Prognostic Factors of 634 HIV-negative Patients with Mycobacterium avium Complex Lung Disease
Am. J. Respir. Crit. Care Med. Published ahead of print


背景:
 Mycobacterium avium complexによる肺疾患(MAC-LD)の予後予測因子は
 いまだにはっきりしていない。

目的:
 全死亡率ないしはMAC特異的死亡率をMAC-LDの患者において調べ、
 予後予測因子を調査する。
 放射線学的特徴、初期治療、宿主性質などに従って解析。

方法:
 日本埼玉の施設における634人のHIV陰性患者MAC-LDの患者の
 診療録をレトロスペクティブに解析した。

結果:
 患者の平均年齢は68.9歳であり、フォローアップ中央値は4.7年。
 放射線学的特徴は、結節/気管支拡張型:nodular/bronchiectatic (NB)
 が482人(76.0%)、線維空洞型:fibrocavitary (FC) diseaseが
 105人(16.6%)、FC+NBが30人(4.7%)、その他の型が17人(3.0%)。
 初期治療は、観察ないしは1剤治療が479人(75.6%)、2-5剤が
 131人(20.7%)、不明が24人(3.8%)。多変量Cox比例ハザードモデルで
 男性、高齢、全身疾患かつ/または呼吸器合併症、非NB型BMI <18.5、
 貧血、低アルブミン血症、ESR>50 mm/hは、全死亡率に関して
 予後不良因子であった。FCあるいはFC+NB型、BMI<18.5、貧血、
 CRP ≥1.0 mg/dLはMAC特異的死亡率に関して予後不良因子であった。

結論:
 初期治療レジメンはMAC症患者における全死亡率に関連していなかった。
 線維空洞型あるいは、線維空洞型+結節/気管支拡張型、BMI<18.5、
 貧血は全死亡率・MAC特異的死亡率のいずれにおいても予後不良因子
 であった。

by otowelt | 2012-01-22 20:15 | 感染症全般

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