クリソタイル石綿労働者は癌死・呼吸器疾患死のリスク

塵肺の臨床試験はきわめて少ない。

Xiaorong Wang, et al.
A 37-year observation of mortality in Chinese chrysotile asbestos workers
Thorax 2012;67:106-0110


目的:
 37年におよぶプロスペクティブコホート試験によって
 クリソタイル石綿:chrysotile asbestosに曝露されることによる 
 死亡への影響を調査する。

方法:
 577人の石綿業務にたずさわる労働者と
 435人のコントロール労働者を試験に登録。
 1972年から2008年までフォローアップした。
 フォローアップ率はそれぞれ99%、73%であった。
 死亡率は観察人年に基づいて決定。
 Cox比例ハザードモデルが原因特異的死亡率のハザード比算出
 のために用いられた。

結果: 
 石綿労働者のうち合計259人(45%)が死亡。96人は癌死であった。
 肺癌は53人で非悪性呼吸器疾患は81人。
 コントロールでは9人の肺癌、11人の呼吸器疾患死であった。
 石綿労働者における全原因死亡率、全癌死亡率の
 年齢・喫煙調整ハザード比は、それぞれ2.05 (95% CI 1.56to 2.68)、
 1.89 (1.25 to 2.87)であった。石綿労働者における肺癌、呼吸器疾患の
 死亡はコントロールの3倍を超えた
 (それぞれHR 3.31(95% CI 1.60 to 6.87);
 HR 3.23 (95% CI 1.68 to 6.22)。
 喫煙・非喫煙両方ともに石綿曝露レベルと肺癌死亡率に
 曝露反応関係が観察された。
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結論:
 プロスペクティブコホート試験により、石綿曝露は
 癌および呼吸器疾患による死亡リスクと関連していた。

by otowelt | 2012-01-25 07:46 | びまん性肺疾患

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