NSCLCにおけるT790Mの頻度と臨床的影響

JCOから、T790Mに関する論文が出ていた。


いわゆる第2世代EGFR-TKIとされている薬剤があるが、
これらはEGFR-TKI耐性を克服する目的もある。
HKI-272[neratinib], BIBW-2992 [afatinib], PF-0299804
などがその薬剤である。しかしながら、残念ながら臨床試験において
その効果は示されていない。EGFR-TKI耐性患者に効果があった
ものとして、afatinibにcetuximabを併用した場合、EGFR-TKI耐性例
で効果がみられたという報告がある。(しかしT790Mのサブセット解析はなし)
Janjigian YY, et al. Activity and tolerability of afatinib (BIBW 2992) and cetuximab in NSCLC patients with acquired resistance to erlotinib or gefitinib. J Clin Oncol 29:482s, 2011 (suppl; abstr 7525)




Kang-Yi Su, et al.
Pretreatment Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) T790M Mutation Predicts Shorter EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Response Duration in Patients With Non–Small-Cell Lung Cancer
JCO February 1, 2012 vol. 30 no. 4 433-440


目的:
 EGFR遺伝子変異があるNSCLC患者では、EGFR-TKIが効果を
 発揮するが、T790M変異においてはEGFR-TKIが耐性を持つ
 ことが知られている。このスタディにおいて、EGFR-TKI開始前に
 高感度の方法でT790Mを同定し、T790Mの頻度と臨床的アウトカムを
 調査した。

患者および方法:
 ダイレクトシークエンス、MALDI-TOF MSおよび次世代シークエンス(NGS)を
 T790M同定のために使用。以下の2コホートを設定。
 EGFR-TKI未投与例107人、投与例85人。結果は、EGFR-TKIの治療による
 奏効と生存をみた。

結果:
 MALDI-TOF MSは、EGFR活性化遺伝子変異やT790M同定に
 おいて高い感度であった(detection limits, 0.4% to 2.2%)。
 MALDI-TOF MSは、NSCLCにおいてEGFR-TKI未投与例において
 T790M同定をダイレクトシークエンスに比べて、より同定することができた
 (27/107 pts, 25.2% v 3/107 pts, 2.8%, respectively; P< .001)。
 EGFR-TKI治療例でも同様の結果
 (before TKI: 23/73 pts, 31.5% v 2/73 pts, 2.7%,
 respectively; P<.001; and after TKI: 10/12 pts, 83.3%
 v 4/12 pts, 33.3%, respectively; P=.0143)。
 EGFR遺伝子変異とその頻度をNGSにより同定。
 T790Mは、NSCLCでEGFR-TKIを受けた患者におけるPFS減少の
 独立予測因子であった(P=.05, 多変量Cox回帰分析)。

結論:
 T790Mは、NSCLC患者でEGFR活性化遺伝子変異を有していて
 EGFR-TKIの治療されている場合においても、その治療前後の
 いずれにおいても稀なものではない。治療前のT790MはPFSの減少に
 関連していた。

by otowelt | 2012-01-29 11:51 | 肺癌・その他腫瘍

<< アトバコン製造承認 CATはCOPD急性増悪後ステ... >>