メタアナリシスにおけるバイアスの軽視

『結果がイマイチの臨床試験は出版されにくい』
簡単に言うと、こういう類のバイアスを出版バイアスという。
臨床試験屋が「negative study」と言及するのがこれだ。
negative studyは採択されにくい現状もあり、
これも重大な医学論文のバイアスの1つである。

出版バイアスを評価するとき、論文中ではfunnel plotを
用いることが多く、これは読者にも視覚的にもわかりやすい。
X軸にエフェクトサイズ、Y軸に標本の大きさ(分散の逆数)を
とることで、対称性であれば出版バイアスが少なく
非対称性であれば出版バイアスが大きいということを意味する。
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上が対称性、下が非対称性。
臨床試験をやっている先生に聞いてみると、
回避できない出版バイアスがあると
「出版バイアスがあるメタテーマを選んだあなたが悪い」と
言われている気がするらしい。。。

BMJからメタアナリシスにおける出版バイアス、選択バイアスについて
興味深い論文が出ていたが、めんどくさくてずっと読んでいなかった。
読んでみたが、とにかく長い!
……途中ほとんどすっ飛ばしてしまったので、後日また読もうと思う。
メタアナリシスだからといって信頼できるものじゃないという
可能性を私たちは知っておく必要がある。

Ikhlaaq Ahmed, et al.
Assessment of publication bias, selection bias, and unavailable data in meta-analyses using individual participant data: a database survey
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7762


目的:
 潜在的な出版バイアス、データ採用バイアス、レビュアー選択バイアス
 が近年出版されたメタアナリシスにおいて調査する。

デザイン:
 1991年から2009年3月までに出版されたメタアナリシス383のうち
 31の最も最近出版されたランダム化試験のメタアナリシスをサーベイした。

結果:
 31のメタアナリシスのうち9つのみが”grey literature(無出版研究)”を
 含んでおり、出版バイアスの可能性が記載・検討されたのは
 たった10(32%)のみであった。
 メタアナリシス16つ(52%)が個別の被験者データを入手できておらず、
 さらにこれらのうち5つ(31%)は、検討のlimitationにも触れてない。
 また、わずか6つ(38%)が個別データがない臨床試験が解析後の結論に
 どれだけ影響を与えるかについて言及しているだけであった。
 メタアナリシスレビュアー選択バイアスの9つ(29%)は問題があり、
 試験同定方法が記載されてない/故意選別的/非システマティックであった。

 以下のごとく、個々のメタアナリシスについてfunnel plotを提示して
 バッサリ切っている。(下図はDe LucaらのSTEMIに対する
 Gp IIb-IIIa阻害薬の早期投与に関するメタアナリシス)
De Luca G, et al.Early glycoprotein IIb-IIIa inhibitors in primary angioplasty (EGYPT) cooperation: an individual patient data meta-analysis. Heart 2008;94:1548-58
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結論:
 メタアナリシスの出版バイアス等の各バイアスについて、
 レビュアーが調査、検討を怠っている。

by otowelt | 2012-01-31 16:19 | 内科一般

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