Buruli潰瘍は治療開始後に一時的に悪化するようにみえる

Buruli潰瘍はご存知の通り発展途上国の皮膚感染症として
非常に問題になっている疾患である。
Googleで画像検索すると、いかに深刻なものかおわかりかと思う。
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日本でも昨年19例をまとめた報告がある。
Nakanaga K, et al.
Nineteen cases of Buruli ulcer diagnosed in Japan from 1980 to 2010.
J Clin Microbiol. 2011 Nov;49(11):3829-36.


以下、今回のCIDの論文。

Willemien A. Nienhuis、et al.
Paradoxical Responses After Start of Antimicrobial Treatment in Mycobacterium ulcerans Infection
Clin Infect Dis. (2012) 54 (4): 519-526.


背景:
 抗酸菌感染症における殺菌は(一過性の)
 臨床的な悪化をもたらすかもしれない、すなわち
 奇異性反応として知られている。Buruli潰瘍
 (Mycobacterium ulcerans感染症)におけるこれらの反応
 パターンを調べた。

方法:
 BURULICO抗菌薬試験の参加者において潰瘍を
 注意深い触診により評価しアセテートシートトレースにより
 記録された。患者は抗菌薬を8週間投与された。
 サイズ評価に際して、確たる治療失敗参加者、スキングラフト例、
 HIV感染者は除外された。いずれの時期においても
 表面エリアは過去のものと比較されて評価された。

結果:
 151人の参加者のうち134人が病変サイズ評価に組み込まれた。
 最大の奇異性反応は8週時にみられ、30%を超える参加者が
 サイズの増加がみられた(6週時評価と比較)。90人中75人(83%)の
 非潰瘍性病変の参加者が治療開始後潰瘍化した。9人の参加者は
 治療後新しい病変が発症した。すべての病変は引き続き治癒した。

結論: 
 Buruli潰瘍における抗菌薬治療開始後、新たな潰瘍あるいは潰瘍の
 進行が治癒前にみられることがよくある。この奇異性反応は
 治療開始8週時にみられ、治療失敗と誤認しないことが重要である。

by otowelt | 2012-02-04 22:11 | 感染症全般

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