SSRIは肺高血圧のリスクを減少させない

この間BMJから新生児肺高血圧症と妊婦のSSRIの報告があったが、
Helle Kieler, et al.
Selective serotonin reuptake inhibitors during pregnancy and risk of persistent pulmonary hypertension in the newborn: population based cohort study from the five Nordic countries
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d8012


CHESTから成人のSSRIと肺高血圧の関連について論文が出ている。
本来肺高血圧のリスク軽減のためにおこなった試験だが、
肺高血圧のリスクが上昇したという報告。
この試験デザインでは疫学的なリスク上昇は断言できないので
結論は緩やかな発言にとどめている。

Irfan A. Dhalla, et al.
Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Pulmonary Arterial Hypertension
A Case-Control Study
CHEST 2012; 141(2):348–353


背景:
 動物ないしヒトの臨床試験において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬
 (SSRIs)が、肺高血圧症の予防あるいは治療に有用かもしれないとされている。

方法:
 SSRIが肺高血圧のリスクを減らすという仮説を検証するため
 症例対照研究を実施。肺高血圧で薬剤治療を要する症例を登録。
 それぞれの症例に対して10のマッチコントロールを設定。
 SSRI曝露と非SSRI抗不安薬曝露を解析。
 肺高血圧で治療を要する症例は、レセプトから判断した。
 
結果:
 460の肺高血圧症例に対して4539人のコントロールを設定。
 72.6%が女性であり、平均年齢は65.3歳であった。
 citalopramの使用が最も多かった。
 われわれの仮説に反して、SSRIの使用と肺高血圧には
 多変量解析においてリスク関連性がみられた
 (adjusted OR, 1.55; 95% CI, 1.13-2.13)。

結論:
 SSRIは肺高血圧のリスクは減少させない。

by otowelt | 2012-02-08 05:14 | 呼吸器その他

<< Parkinson病の平衡障害... 胃癌術後に抗菌薬を使用しなくて... >>