肺腺癌における融合遺伝子の発見:KIF5B-RET

今朝、同僚の先生に教えていただいた。
肺腺癌における新たな遺伝子が発見され、Nature Medicineに発表された。
肺癌では優位性が示せなかったVandetanibの臨床試験があるが、捲土重来か。

・共同通信 「肺がん原因遺伝子を発見 治療薬の候補も」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120213/bdy12021306560000-n1.htm
肺腺がんの原因となる異常な遺伝子を発見したと、国内外の3チームが12日付の米科学誌ネイチャーメディシン電子版に同時発表した。甲状腺がんなどの治療薬の中に、この遺伝子によるがんを抑制する効果が期待できるものがあることも分かったという。
 発見されたのは、二つの遺伝子が何らかの原因でくっついた「KIF5B-RET融合遺伝子」。別々に研究していた(1)がん研究会や自治医大など(2)国立がん研究センターなど(3)米国の研究所や名古屋市立大など-の3チームが発表した。
 肺腺がんは、肺がんの約7割を占めるとされる。各チームが患者の組織を調べたところ、1~2%の患者にこの融合遺伝子が見つかった。マウスの細胞などを使った実験で、この融合遺伝子にがんをつくる性質があることや、甲状腺のがんの治療薬などで、この融合遺伝子によりがん化した細胞を殺せることも確かめた。
 また、がん研究会のチームは、ROS1という遺伝子が別の遺伝子とくっついてできた融合遺伝子が肺腺がんの約1%に見られ、がんの原因になっていることも明らかにした。
 現在分かっているだけで、肺腺がん患者の半数には治療に直結する何らかの異常な遺伝子があるとされ、これらを対象にしたゲフィチニブ(商品名イレッサ)やクリゾチニブなどの治療薬が登場している。今回の研究も、患者のがんの特徴に合った効果的な治療薬を選べるオーダーメード医療の拡大に貢献しそうだ。(共同)

・ネイチャーの発表
Takashi Kohno, et al.
KIF5B-RET fusions in lung adenocarcinoma
http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/abs/nm.2644.html
Kengo Takeuchi, et al
RET, ROS1 and ALK fusions in lung cancer
http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/abs/nm.2658.html

・公益財団法人がん研究会プレス
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120213/index.html

・日経バイオテク
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120210/159511/
国立がん研究センター研究所の河野隆志・ゲノム生物学研究分野長らの研究チームと、がん研究会の竹内賢吾プロジェクトリーダーらの研究チーム、米Foundation Medicine社のDoron Lipson博士らの研究チームはそれぞれ、肺がんの新しい原因遺伝子としてKIF5B-RET融合遺伝子を発見し、2012年2月13日にNature Medicine誌にそれぞれ個別に論文発表した。

by otowelt | 2012-02-13 12:27 | 肺癌・その他腫瘍

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