睡眠薬使用による死亡リスクと癌発現リスクの上昇

発癌リスクの増加については、病院受診頻度が
睡眠薬使用者で多いため、あたかも増えたようにみえている可能性も
Discussionで述べられている。

Kripke DF, et al.
Hypnotics' association with mortality or cancer: A matched cohort study
BMJ Open 2012;2:e000850 doi:10.1136/bmjopen-2012-000850


背景および方法:
 2010年において、成人の6~10%が不眠により睡眠薬を使用している。
 この試験では、同使用による死亡リスクへの影響を調査したものである。
 the Geisinger Health System (GHS)診療録より抽出したデータを用いた。
 患者は平均年齢54歳で睡眠薬を処方された10529人の患者で、
 23676人の非処方コントロール群を設定し、平均2.5年の追跡をおこなった
 (2002年1月~2007年1月)
 データは年齢、性別、喫煙、BMI、人種、アルコール使用、癌既往歴などで
 調整をおこない、死亡ハザード比はCox比例ハザードモデルを用い解析。
 マッチ化コホートデザイン研究。

結果:
 睡眠薬使用者の63.9%は女性であった。
 最も多かった睡眠薬はzolpidem、次に多かったのは temazepam。
 合併疾患については睡眠薬使用者の方が多かった。
 フォローアップ期間において、死亡者は睡眠薬使用者6.1%、非使用者1.2%。
 使用量別のハザード比(HR)では、0.4~18doses/年でHR 3.60、
 18~132doses/年でHR 4.43、132doses/年でHR 5.32であった。
 上記の如く、用量リスクの関連がみられた。
 また、発癌のリスクは、18~132doses/年でHR1.35(P <0.001)、
 それ以上ではHR1.20(P = 0.022)であった。

結論:
 睡眠薬を使用することで、年18錠未満であっても
 死亡のハザード比が3倍上昇する。
 睡眠薬の使用により、発癌リスクも上昇すると考えられる。

by otowelt | 2012-03-01 06:51 | 内科一般

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