肉芽腫性病変

●肉芽腫性病変について
 肉芽腫あるいは肉芽腫性病変の定義は、van Furthら(1972)が
 提唱したmononuclar phagocyte system (MPS)系細胞の
 局所的、組織化された集合あるいは類上皮細胞を含むMPS系細胞の
 局所的、組織化された集合とする定義が使用されている。結節性の
 肉腫様の構成細胞の主体が類上皮細胞である場合、その肉芽腫を
 「類上皮細胞肉芽腫」と呼ぶ。「肉芽腫」は有核細胞が不均一に存在
 するのではなく、お互いにコネクションがあるように見える。
 
 類上皮細胞は光学顕微鏡による観察で記載された細胞で、特徴としては
 (1)比較的大型の有核細胞で多辺形様あるいはやや細長い形状
 (2)核は楕円形あるいは馬蹄形で淡明、線細な核クロマチンを持ち、
   1-2個の核小体を持つ
 (3)細胞質は豊かで好酸性
 (4)隣接する同種類の有核細胞と接着し、細胞境界が不明瞭

 類上皮細胞は現在ではマクロファージ由来と考えられるようになり、
 MPS系細胞の中に含められている。免疫染色では肺胞マクロファージと
 同様にCD68陽性となる。

 肉芽腫性病変の大きさは、μmオーダーから10mmを越えるものまである。
 構成細胞には類上皮細胞、多核巨細胞、リンパ球が含まれる。
 肉芽腫性病変の周囲には線維化病変、硝子様化線維化病変が形成される
 ようになり、引き続き類上皮細胞の萎縮と線維化病変による置換が起こる。
 肉芽腫性病変の確認には鍍銀染色を行い、細網線維が肉芽腫性病変を
 囲んで形成されている所見を確認する。肉芽腫性病変は既存構造を
 融解消失させる。EvG弾性線維染色で観察すると筋性動脈の弾性線維層が
 肉芽腫性病変の存在のために融解消失した所見がみられることがある。

※肉芽、肉芽組織、肉芽腫
 肉芽(granulation), 肉芽組織(granulation tissue), および
 肉芽腫(granuloma)は類似した用語だが、肉芽は肉眼所見である。
 肉芽組織と肉芽腫は顕微鏡所見。肉芽は皮膚などの創傷治癒で新生所見に
 対して用いられるものである。肉芽組織は肉芽の顕微鏡所見に相当する所見で、
 細血管増生が多い、幼若な線維化病変である。時間とともに細血管が
 目立たなくなり、成熟した線維化病変に置換される過程をあらわす言葉である。
 肉芽腫は、病変全体として結節性病変を示す有核細胞集簇で類上皮細胞、
 多核巨細胞が構成細胞となることが多い病変である。

by otowelt | 2012-03-02 05:52 | レクチャー

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