小児の尿路感染症予防にクランベリージュースは部分的に有効かもしれない

過去に尿路感染症におけるクランベリージュースのランダム化試験を紹介した。
・尿路感染症の再発予防にクランベリージュースは無効

小児の尿路感染症におけるクランベリージュースの論文が
また出ていたので読んでみた。
とりあえず個人的な結論としては、
そこまでクランベリージュースにこだわらなくてもいいだろう、と思っている。
R-1ヨーグルトみたいにクランベリージュースが日本でバカ売れしないのは
尿路感染症がマイナーすぎるのと、日本の業者がからんでないせいだろうか。

Jarmo Salo, et al.
Cranberry Juice for the Prevention of Recurrences of Urinary Tract Infections in
Children: A Randomized Placebo-Controlled Trial
Clin Infect Dis. (2011) doi: 10.1093/cid/cir801


背景:
 クランベリージュースは成人女性の再発性尿路感染症を予防する。
 このスタディの目的は小児におけるクランベリージュースの尿路感染症予防
 を調べることである。

方法:
 フィンランドの7施設において二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を実施。
 1-16歳で4大学、3つの中核病院に最近2ヶ月以内に尿路感染症と診断された
 263名を登録した。GradeIII-IVのVURがある小児は除外された。
 クランベリージュース129人、ただのジュース134人に割りつけられ
 6ヶ月間服用した。尿路感染症症状が出た場合、受診して
 標準的な抗菌薬治療をおこなってもよいものとした。
 263人のうち8人がプロトコールを逸脱したため、255人を解析に組み込んだ。

結果:
 クランベリージュース群で20人(16%)が12ヶ月以内に尿路感染症を発症、
 プラセボジュース群は28人(22%)で、有意差はなかった
 (difference, −6%; 95% CI, −16 to 4%; P = .21)。
 発症時期についても差はみられなかった(P=.32)。しかし、
 総発症数とincidence density per person-year at risk(0.16 episodes)は
 クランベリージュース群で有意に低かった(95% CI, −.31 to -.01; P = .035)。
 抗菌薬内服期間もクランベリージュース群で少なかった
 (−6 days per patient-year; 95% CI, −7 to −5; P < .001)。

結論:
 小児における再発尿路感染症予防において有意にクランベリージュースが優れて
 いるとは言えないが、 実数と抗菌薬の使用の観点からは有用かもしれない。

by otowelt | 2012-03-05 06:29 | 感染症全般

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