Alzheimer病におけるドネペジルの継続は有用

Robert Howard, et al.
Donepezil and Memantine for Moderate-to-Severe Alzheimer's Disease
N Engl J Med 2012;366:893-903.


背景:
 臨床試験では、軽度-中等度のAlzheimer病に対する
 コリンエステラーゼ阻害薬による治療による利益が示された。
 中等度-重度のAlzheimer病へ進行した後も
 同治療を続けることに利益があるかどうかはわかっていない。

方法:
 われわれは295人の地域在住の少なくとも3ヶ月ドネペジル治療を
 うけていた中等度-重度のAlzheimer病患者(SMMSEで5-13点)を登録。
 ドネペジルを続けた場合、ドネペジルをやめた場合、
 ドネペジルをやめてメナンチンを開始した場合、
 ドネペジルを続けメナンチンを開始した場合を比較した。
 なお、薬剤に関してinactiveである場合はプラセボを使用した。
 試験期間は52週。
 コプライマリアウトカムはSMMSEおよびBADLSのスコアリングとした。 
 最小のclinically important differencesはSMMSEで1.4ポイント、
 BADLSで3.5ポイントとした。

結果:
 ドネペジルを継続した患者は、ドネペジルをやめた患者に比べて
 SMMSEは平均より1.9ポイント高く(95%CI 1.3 to 2.5)、
 BADLSは3.0ポイント低かった(95% CI, 1.8 to 4.3)
 (P<0.001 for both comparisons)。
 メマンチンを投与された患者はメマンチンプラセボを投与された患者より
 SMMSEは平均1.2ポイント高かった(95% CI, 0.6 to 1.8; P<0.001)。
 同様にBADLSは1.5ポイント低かった(95% CI, 0.3 to 2.8; P=0.02)。
 ドネペジルとメマンチンの効果に有意差は観察されなかった。
 ドネペジル単独に比べて、ドネペジルとメマンチンの併用に有意な利益は
 認められなかった。

結論:
 中等度-重度のAlzheimer病においてドネペジルによる継続的治療は
 12ヵ月間にわたる臨床的に意味のある最小の差を上回る認知機能への
 利益、有意な機能への利益に関連していた。

by otowelt | 2012-03-08 23:02 | 内科一般

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