成人ICUにおけるせん妄発症予測モデル:PRE-DELITIC

CAM-ICUについては過去に記事を書いたことがある。
ICUせん妄スクリーニングにはCAM-ICUが最も良い

新しくPRE-DELIRICについて提唱したBMJの論文。

Development and validation of PRE-DELIRIC (PREdiction of DELIRium in ICu patients) delirium prediction model for intensive care patients: observational multicentre study
BMJ 2012;344:e420 doi: 10.1136/bmj.e420


目的
 成人ICUにおけるせん妄予測モデルの構築と妥当性を評価し
 医療従事者の予測と比較してその付加価値を同定する。

デザイン:多施設での観察研究

セッティング:5つのニュージーランドにおけるICU

患者:3056人のICU患者で18歳以上とする

メインアウトカム:
 ICU滞在中のせん妄の発症(少なくともせん妄スクリーニング陽性を1つ満たす)
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結果:
 本研究では、成人のICU入院患者におけるせん妄の発現を
 予測するモデルである、PRE-DELIRICモデル
 (PREdiction of DELIRium for Intensive Care patients)を開発。
 1施設のICUに入院した1613人のデータを用いてモデルを開発、
 549人で時間的妥当性の検証。外的妥当性検証には他4施設ICUに
 入院した894人のデータを使用。PRE-DELIRICモデルは、
 10のリスクファクターである年齢、APACHE-II、入院形態、昏睡、感染、
 代謝性アシドーシス、鎮静薬使用、モルヒネ使用、尿素濃度、
 緊急入院で構成された。モデルの予測能についてROC曲線下面積で
 評価すると、0.87(95%CI:0.85~0.89)という結果であった。
 ブートストラップ法でoverfittingを調整した場合、ROC曲線下面積は
 0.86であった。時間的妥当性ないしは外的妥当性のROC曲線下面積は
 それぞれ0.89(95%CI:0.86~0.92)、0.84(95%CI:0.82~0.87)。
 3056人全例における統合ROC曲線下面積は0.85(95%CI:0.84~0.87)。
 当該モデルと医療者のリスク予測能を比較すると、
 モデルROC曲線下面積が0.87(95%CI:0.81~0.93)であったが、
 看護師は0.59(95%CI:0.49~0.70)、
 医師は0.59(95%CI:0.49~0.70)であり、これも有意に低いものであった。

結論:
 成人において、ICU入院後24時間以内に評価可能な10のリスクファクター
 から構成されるPRE-DELIRICモデルは、
 せん妄発症の予測能を高く持つものと考えられる。

by otowelt | 2012-03-11 20:27 | 集中治療

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