津波肺:Scedosporium感染

日経メディカルオンラインに津波肺についての記事がある。
津波肺患者を苦しめたスケドスポリウム

津波肺は、水が関与する細菌の感染(緑膿菌、腸内細菌属、Aeromonas属)が
多いとされているが、Nocardiaや真菌についても注意が必要とされている。
真菌についてはCandida(Crit Care Med. 2005 May;33(5):1136-40)に
注意すべきとされているが、Scedospriumについても注意しなければならない。
日経メディカルオンラインに引用されているScedosprium感染の論文を
ご紹介する。

Aspasia Katragkou, et al.
Scedosporium apiospermum infection after near-drowning
Mycoses Volume 50, Issue 5, pages 412–421, September 2007


概要:
 Scedosporium apiospermumとその有性生殖形態である
 Pseudallescheria boydiiは、いたるところでみられる
 腐生性真菌であり、特殊な状況下においては、特に溺水においては
 治療抵抗性で致命的な感染症になりかねない。
 われわれは、22症例(8:小児、14:成人)の溺水後の
 S. apiospermum感染について報告する。
 溺水後のscedosporiosisは、免疫が正常宿主であるにもかかわらず
 高い死亡率と関連していた(16/23, 70%)。
 主には若年にみられ(平均年齢24歳)、ほとんどが免疫正常宿主
 (83% with no apparent immune defect)で、男性に多かった
 (男女比2.5 : 1)。 溺水後のscedosporiosisは、ゆるやかに進行した
 (平均生存期間87日)。しかしながら、中枢神経病変が著明にみられ
 (21/23, 91%)、これは主に脳膿瘍であった(15/23, 65%)。
 診断は遅れる傾向にあり(平均診断期間28日)、
 培養診断が69.5% 、組織診断が30.5%であった。ほとんどの
 患者(20/23, 87%)が抗真菌治療を受け、脳神経外科手術を施行された。
 適切な治療については明確ではないものの、多くの患者はボリコナゾールが
 効果を発揮した。

by otowelt | 2012-03-12 06:15 | 感染症全般

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