DPP-4阻害薬の効果と安全性に関するシステマティックレビュー・メタアナリシス

BMJからDPP-4阻害薬のシステマティックレビュー・メタアナリシスが
出ていた。GLP-1の分解を抑制し自分のGLP-1を働かせて
血糖値を下げる薬剤がDPP-4阻害剤であり、ジャヌビア、グラクティブ、
エクアなどがこれに該当する。
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Thomas Karagiannis, et al.
Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors for treatment of type 2 diabetes mellitus in the clinical setting: systematic review and meta-analysis
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e1369


目的:
 メトホルミン単剤あるいはメトホルミンとよく使用される経口血糖降下薬
 の併用と、DPP-4阻害薬の使用における効果と安全性を
 成人2型糖尿病患者において評価する。

デザイン:
 ランダム化比較試験におけるシステマティックレビューとメタアナリシス

データ:
 Medline, Embase, the Cochrane Library, conference proceedings,
 trial registers, and drug manufacturers’ websites

適格基準:
 成人2型糖尿病におけるランダム化比較試験において
 DPP-4阻害薬と、メトホルミン単剤ないし
 メトホルミンとSU剤・ピオグリタゾン・GLP-1アゴニスト・インスリンとの併用を
 ベースラインHbA1cの変化において比較したものを登録。

アウトカム:
 プライマリアウトカムはHbA1cの変化とした。
 セカンダリアウトカムはHbA1c7%未満の達成率、
 体重変化、副反応による治療中断率、その他の重篤な有害事象、
 全死因死亡率、低血糖頻度、鼻咽頭炎、尿路感染症、上気道感染症、
 嘔気、嘔吐、下痢。

結果:
 27の報告、19の試験が登録され、7136人がランダム化され
 DPP-4阻害薬へ、6745人がランダム化され他の血糖降下薬へ割り
 付けられたシステマティックレビューとメタアナリシスの対象となった。
 DPP-4阻害剤はHbA1cの軽度の減少と関連しており
 (weighted mean difference[荷重平均差]0.20, 95%CI0.08-0.32) 、
 体重への減少も軽度だった(同1.5,95%CI 0.9 -2.11)。
 セカンドライン治療としては、HbA1cの低下を比較したところ、
 DPP-4阻害剤はGLP-1よりは劣り (同0.49, 95%CI0.31 -0.67)、
 ピオグリタゾンと同様であった(同0.09,95%CI−0.07-0.24)。
 しかしながら、HbA1cの低下を目標とする場合、SU剤を上回ることは
 なかった (RR in favour of sulfonylureas 1.06,95%CI0.98 ~ 1.14)。
 DPP-4阻害剤は体重プロファイル関して良好であった。SU剤と
 比較すると、weighted mean difference −1.92, −2.34 to −1.49、
 ピオグリタゾンで−2.96, −4.13 to −1.78。しかしながらGLP-1
 と比較しても良好な結果とはならなかった(1.56, 0.94 to 2.18)。
 どの治療群においても、DPP-4阻害剤は、単剤比較としてのメトホルミン、
 あるいは、セカンドラインとしてのピオグリタゾン、GLP-1アゴニストとの
 比較においても、低血糖は最小限であった。
 ピオグリタゾンよりDPP-4阻害剤は重篤な有害事象頻度は少なかった。
 嘔気・嘔吐・下痢の頻度はメトホルミン併用やGLP-1アゴニスト併用で
 多くみられた。鼻咽頭炎、上気道感染、尿路感染リスクは、
 DPP-4 阻害剤と他の比較について差はなかった。

結論:
 2型糖尿病のある患者で、メトホルミン単独で血糖目標値を達成
 できない場合、DPP-4阻害剤はSU剤やピオグリタゾンと同様
 HBA1cを低下させることができる。しかしながら、
 費用や長期安全性は考慮されるべきであろう。

by otowelt | 2012-03-18 05:28 | 内科一般

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