EGFR遺伝子変異陽性の肺扁平上皮癌におけるゲフィチニブ

個人的には、かなり興味深い症例報告。

Kosuke Tanaka, et al.
Gefitinib for a Poor Performance Status Patient with Squamous Cell Carcinoma of the Lung Harboring EGFR Mutation
Intern Med 51: 659-661, 2012


概要:
 PSが悪い患者においてEGFR陽性肺癌ではファーストラインの
 ゲフィチニブが効果を発揮してPSを著明に改善することがあるという
 報告がある。EGFR遺伝子変異は東アジア、女性、非喫煙者、腺癌患者
 においてよくみられるが、非腺癌や重喫煙者においても
 まれにみられることがある。われわれは、EGFR遺伝子変異がみられた
 男性現喫煙者の扁平上皮癌のPS4の患者に対する
 ファーストラインのゲフィチニブが著明に奏効した1例を報告する。
 東アジアの場合、EGFR遺伝子解析は扁平上皮癌患者であったとしても
 すすめられるものである。

→Discussionにも述べられているが、もちろん混合型腺癌であった
 可能性もじゅうぶん考えられるが検体内のcell lineで
 解析をおこなっている以上、やはり扁平上皮癌にEGFR遺伝子変異が
 発現していた可能性が高いのではないかとも思った。

ちなみに、EGFR遺伝子変異陽性の扁平上皮癌についての
参照文献として以下の2つ挙げられている。

Park SH, et al.
Epidermal growth factor receptor mutations and the clinical outcome in male smokers with squamous cell carcinoma of lung. J Korean Med Sci 24: 448-452, 2009.

韓国の論文では、3人のEGFR遺伝子変異陽性の扁平上皮癌患者が
報告されており、1人がL858R変異、2人がexon 19 deletionであった。
人数が少ない解析だが、PFSもEGFR野性型に比べて良好
(5.8 vs. 2.4 months; P=0.07)であった。

Shukuya T, et al.
Efficacy of gefitinib for non-adenocarcinoma non-small-cell lung cancer patients harboring epidermal growth factor receptor mutations: a pooled analysis of published reports. Cancer Sci 102: 1032-1037, 2011.

2011年のpooled analysisであり、15の論文をまとめたもの。
21人のEGFR遺伝子変異陽性の扁平上皮癌患者が検証されている。
RRは27%で、DCR67-70%、PFS中央値は3.0 monthsであった。
これは明らかに腺癌患者よりも低い効果であり、
少なくともすすめられるものではないと結論づけている。

by otowelt | 2012-03-19 07:47 | 肺癌・その他腫瘍

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