侵襲性カンジダ感染症診断におけるリアルタイムPCRとβ-Dグルカン

侵襲性カンジダ感染症の診断において、
血液培養の感度が低いのは有名な話である。

M. Hong Nguyen, et al.
Performance of Candida Real-time Polymerase Chain Reaction, β-D-Glucan Assay, and Blood Cultures in the Diagnosis of Invasive Candidiasis
Clin Infect Dis. (2012) 54 (9): 1240-1248


背景:
 侵襲性カンジダ感染症の診断において、血液培養の感度は悪い。

方法:
 カンジダのリアルタイムPCRとFungitell 1,3-β-D-glucan (BDG)アッセイ
 を侵襲性カンジダ感染症の患者(n=55)ないしはコントロール群としての
 入院患者(n=73)の血液サンプルにおいて施行した。
 侵襲性カンジダ感染症の患者はカンジダ血症(n = 17)、
 深部カンジダ感染症(n = 33)、その両方(n = 5)。
 コントロール群は粘膜カンジダ症(n = 5)、
 カンジダコロナイゼーション(n = 48)、非コロナイゼーション(n = 20).。

結果:
 侵襲性カンジダ感染症の診断において、
 全血に比べると血漿・血清PCRはより感度が高かった(P = .008)。
 また、BDGよりも血漿・血清PCRはより高感度であり
 (80% vs 56%; P = .03)、特異度も同等であった
 (70% vs 73%; P = .31)。カンジダ血症診断においては
 同等の検査と考えられる(59% vs 68%; P = .77)が、
 PCRは深部感染でより感度が高かった(89% vs 53%; P=.004)。
 深部感染において、PCRとBDGは血液培養よりもより感度が高かった
 (88% and 62% vs 17%; P = .0005 and .003, respectively)。
 82%の患者において、PCRと培養は同様のカンジダ種を検出。
 侵襲性カンジダ感染症を診断する上で、血液培養と
 PCRあるいはBDGを組み合わせた感度はそれぞれ98%、79%であった。

結論:
 カンジダPCRと、それには及ばないもののBDGは
 血液培養に比べると侵襲性カンジダ感染症の診断能は有意に高い。

by otowelt | 2012-04-10 04:39 | 感染症全般

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