MDR-TBにおける肝機能障害と予後との関連

Keshavjee, S, et al.
Hepatotoxicity during treatment for multidrug-resistant tuberculosis: occurrence, management and outcome
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 16, Number 5, 1 May 2012 , pp. 596-603(8)


セッティング:
 ロシアのTomskにおける多剤耐性結核(MDR-TB)治療プログラム

目的:
 MDR-TB治療における肝機能障害のマネジメントを記載し、
 これによる治療アウトカムへの影響を考察する。

デザイン:
 608人の患者におけるレトロスペクティブの症例シリーズ

結果:
 アメリカ胸部学会2006年の定義による肝機能障害が
 568人のうち91人(16.5%)にみられた。最初の肝機能障害イベントが
 みられた中央時間は196日目であった。ベースラインの因子が
 肝機能障害と相関しており、ALT/AST/ビリルビン上昇
 (OR 53.9, 95%CI 6.30-438.7),
 腎機能障害(OR 19.6, 95%CI 2.71-141.6)がそれに寄与した。
 治療アドヒアランスの高さ(OR 3.25, 95%CI 2.07-5.09)および
 刑務所内での治療開始(OR 1.77, 95%CI 1.04-3.01)は
 治療成功と関連していた。喫煙(OR 0.44, 95%CI 0.21-0.92)、
 両肺空洞陰影(OR 0.51, 95%CI 0.34-0.77) は転帰不良と
 関連していた。アルコール常用者において、肝機能障害は
 健常者よりも良好なアウトカムと関連していた(OR 4.40, 95%CI 1.79-10.81 vs
 OR 0.42, 95%CI 0.25-0.68)。91人中10人において
 1つ以上の薬剤が永続的に中止されたが、治療中断例はなかった。

結論:
 肝機能障害のみられたMDR-TB治療は、統計学的に有意な
 転帰不良とは関連しないと考えられる。

by otowelt | 2012-04-26 13:04 | 抗酸菌感染症

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