呼吸器外科手術におけるUKスリムドレーン

外科領域では低侵襲手術が善しとされる傾向にある昨今だが、
術後管理においても細径のスリット型ドレーンが使用されることがある。
しかしながら、細いドレーンを留置すると必ずついてまわる問題が
吸引力不足とフィブリン・血塊などによる閉塞である。
UKスリムドレーンを呼吸器外科手術後の管理に用いた試験が
呼吸器外科学会雑誌から出ていた。これは個人的に非常に興味深い。
UKスリムドレーンが3溝である理由は、表面積を拡大し、
スリット/チューブ移行部を短縮するためである。さらに
ウロキナーゼコーティングにより、閉塞リスクを減らした製品でもある。

井上匡美ら
呼吸器外科手術におけるウロキナーゼ抗血栓加工ポリウレタン製スリット型ドレーンの基礎的および臨床的試験
日呼外雑誌Vol. 26 (2012) , No. 2 ,114-118


概要:
 我々は3溝で断面積を31-33%拡大し,ウロキナーゼ抗血栓加工を施した新たなポリウレタン製スリット型ドレーン(UKスリムドレーン)を評価した.5・10・15 cmH2Oにおける吸引量は,19Frで234±9.2・391±9.5・527±13ml/分,24Frで407±3.6・686±6.7・883±6.7 ml/分であった.血栓形成試験で4時間以上血栓形成を認めなかった.スリット・チューブ移行部の引張限界強度は19Frで16.8±0.9 kgf,24Frで21.3±2.6 kgfであった.次に,呼吸器外科手術20例を対象にUKスリムドレーン24Frの術後使用における認容性試験を施行した.留置日数は2-7日(中央値4日).最大疼痛レベルはPrince Henry Pain Scale1-3(中央値2)であった.ドレーン追加を要する肺瘻または胸水の吸引不良は認めなかった.UKスリムドレーン24Frは呼吸器外科手術で使用できる.

by otowelt | 2012-04-27 18:07 | 呼吸器その他

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