慢性壊死性肺アスペルギルス症に対するイトラコナゾールの短期・長期の有効性

Yoshida K, et al.
Efficacy and safety of short- and long-term treatment of itraconazole on chronic necrotizing pulmonary aspergillosis in multicenter study.
J Infect Chemother. 2012 Apr 24. [Epub ahead of print]


背景:
 呼吸器科領域において、慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)や
 アスペルギローマといった慢性肺アスペルギルス症は重要である。

方法:
 われわれは、CNPA症例において短期と長期のイトラコナゾール投与の
 効果と安全性を調べた(内服-注射のスイッチを含)。このスタディに
 参加した病院すべてにおいて、プロトコールは倫理委員会の承認を受けた。
 このスタディはUMIN登録後に開始した(UMIN000001727)。
 このスタディに登録した患者は呼吸器科において臨床的あるいは
 確定的にCNPAと診断された患者であり、日本の
 深在製真菌感染症ガイドライン2007に基づいて診断された。
 16病院において2008年5月から2011年3月まで実施された。
 治療はイトラコナゾールの点滴から開始された。
 その後薬剤は経口へ移行された。効果は、
 主要項目:臨床症状、発熱、画像所見、副次項目:栄養状態、炎症性マーカー
 によって評価された。

結果:
 29人の患者が登録され、安全性は24人、効果は23人で評価された。
 23人の患者のうち10人(43.5 %)に効果がみられた。
 短期的に治療された8人、長期的に治療された15人においてそれぞれ
 25.0 %、53.3 %の効果がみられた。イトラコナゾールの血中濃度は
 点滴開始から3日後においてアスペルギルス症に効果があると思われる
 血中濃度に到達していた。高用量カプセルへ変更したあとも血中濃度は
 維持された。肝機能障害や心不全などの有害事象は24人中9人にみられた。
 さらに6人の患者は死亡した。しかしながら、これらのイベントと
 イトラコナゾール投与とは関連性は認められなかった。

結論:
 イトラコナゾール投与を経口スイッチすることは
 長期治療を必要とするCNPA患者において有用な治療法であると考えられる。

by otowelt | 2012-05-05 16:50 | 感染症全般

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