粟粒肺内転移をきたした非小細胞肺癌ではEGFR遺伝子変異の頻度が高い

e0156318_1715485.jpgmiliary intrapulmonary carcinomatosisという
言葉があるが、粟粒肺癌、粟粒肺内転移という
訳もあるものの、これぞという日本語訳はまだない。
Laack E, et al. Miliary never-smoking adenocarcinoma of the lung: strong association with epidermal growth factor receptor exon 19 deletion. J Thorac Oncol 2011; 6: 199-202.

粟粒肺内転移をきたした非小細胞肺癌において、
EGFR陽性率が高かったというERJからの報告。


Shang-Gin Wu, et al.
Frequent EGFR Mutations in NSCLC Presenting with Miliary Intrapulmonary Carcinomatosis
Eur Resp J ,Published online before print April 20, 2012,


背景:
 非小細胞肺癌(NSCLC)で粟粒肺内転移:miliary intrapulmonary
 carcinomatosis (MIPC)をきたすことはまれである。
 われわれは、NSCLCにおいて初期診断においてMIPCをきたした患者の
 臨床的特徴やEGFRの頻度を調べた。

方法:
 2004年6月から2008年12月の間、われわれは
 NSCLCと新規に診断した患者において画像診断上MIPCをきたした
 患者をスクリーニングした。われわれは臨床的データとEGFR遺伝子変異を
 調べた。比較として、われわれはMIPCのないNSCLC患者からの検体で
 EGFR遺伝子変異を2001年4月から2008年11月の間調べた。

結果:
 3612人のNSCLC患者のうち、85人に初期にMIPCが同定された。
 81人が腺癌であった。85人のうち、60人にEGFR遺伝子変異
 スクリーニングを施行し、42人(70%)が陽性であった。
 673人のIV期非MIPC-NSCLCと比較すると、MIPC患者は
 有意にEGFR遺伝子変異率が高かった(p =0.036)
 (Del-19が35%、L858Rが20%であった)。
 男性喫煙者のほうがその率が高かった(91%)。OSの予後予測因子を
 同定するMIPC85人の多変量解析において、腺癌、肺外転移がないこと、
 EGFR遺伝子変異陽性は、長期生存と関連していた。

結論:
 初期にMIPCをきたしたNSCLC患者では、腺癌とEGFR遺伝子変異の
 頻度が高かった。EGFR-TKIはMIPCをきたしたアジア人患者において
 有用な治療選択肢となりうるかもしれない。

by otowelt | 2012-05-05 17:19 | 肺癌・その他腫瘍

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