敗血症性ショックにおけるクーリングは、血管作動薬必要性や死亡率を減少させる

 アセトアミノフェンやNSAIDsによる解熱は敗血症性ショック+多臓器不全患者においては使用しにくい現状があるという紹介が書いてある。そのため、本論文ではあくまでクーリングと非クーリングのランダム化をしただけにすぎない。

Frederique Schortgen, et al.
Fever Control Using External Cooling in Septic Shock
A Randomized Controlled Trial
Am J Respir Crit Care Med Vol 185, Iss. 10, pp 1088–1095, May 15, 2012


背景:
 発熱のコントロールは、血管抵抗と酸素消費量を改善させるが、発熱が感染症との対峙する際に寄与しているかもしれない。

目的:
 外部からのクーリングによる発熱コントロ-ルが、敗血症性ショックにおいて血管作動薬の必要性を減少させることができるかどうか検証する。

方法:
 2008年2月から2009年10月までの間、フランスのICU多施設において、ランダム化試験を実施した。敗血症性ショックの発熱患者(38.3℃を超えることが条件)で血管作動薬、人工呼吸器、鎮静が必要なものをランダムに、48時間以内に正常体温(36.5℃~37.8℃)を達成するように外部からのクーリングを行う群(n=101)と、クーリングしない群に割りつけた。血管作動薬は、2群ともに同等の血圧を維持するよう調節した(MAP 65mmHgを目標に)。
 プライマリエンドポイントは、48時間後の時点でのベースラインからの血管作動薬の50%用量減少を達成した患者数とした。

結果:
 579人のスクリーニング患者のうち200人が登録され、101人がクーリング群、99人が非クーリング群にランダムに割り付けられた。適格基準を満たさなかった患者の多くは発熱が38.3℃に満たなかった者であった(32.8%)。
 治療2時間後、体温は有意にクーリング群において低かった(36.8±0.7℃ vs.38.4±1.18℃; P<0.01)。50%の血管作動薬の減少は、治療12時間後の時点で有意にクーリング群においてよくみられた(54 vs. 20%; absolute difference, 34%; 95%CI -46 to -21; P <0.001)が、48時間の時点では有意差がみられなかった(72 vs. 61%;absolute difference,11%;95%CI,-23 to2)。
e0156318_9394346.jpg
 しかしながら、ICU在室中におけるショックへの回帰は有意にクーリング群において多くみられた(86 vs 73%;absolute difference,13%; 95%CI, 2to 25;P=0.021)。14日目のΔSOFAスコアは、クーリング群においてより低い傾向にあった。また同時期の死亡率は有意にクーリング群で低かった(19 vs. 34%;absolute difference, –16%; 95%CI, 228 to 24; P=0.013)。

結論:
 このスタディにおいて、外部からのクーリングによる発熱コントロールは安全であり、敗血症性ショック早期の患者において血管作動薬の必要性や早期死亡を減少させることができた。

by otowelt | 2012-05-16 08:20 | 集中治療

<< サージカルマスクを肺結核患者が... ルーサイトアクリル樹脂肺 >>