コーヒー摂取と死亡は逆相関する

コーヒー消費量と死亡との大規模コホート試験の結果がNEJMに掲載されていた。

コーヒーと死亡との関連についての論文といえば、日本におけるMiyagi Cohort Studyが記憶に新しい。
Sugiyama K, et al. Coffee consumption and mortality due to all causes, cardiovascular disease, and cancer in Japanese women. J Nutr 2010; 140:1007-13.

Neal D. Freedman, et al.
Association of Coffee Drinking with Total and Cause-Specific Mortality
N Engl J Med 2012; 366:1891-1904May 17, 2012


背景:
 コーヒーは、もっとも広く消費されている飲料の1つであるが、コーヒー消費量と死亡リスクとの関連についてはよくわかっていない。

方法:
 われわれは、コーヒーの摂取とそれによる総死亡と特異的死亡について229119人の男性と173141人の女性(ベースラインで50歳から71歳)を調べた(National Institutes of Health–AARP Diet and Health Study)。
 参加者は6つの州(カリフォルニア、フロリダ、ルイジアナ、ニュージャージー、ノースカロライナ、ペンシルヴァニア)と2つのメトロポリタンエリア(アトランタ、デトロイト)に居住する住民で、参加者のうち、癌、心疾患、脳卒中のある人は除外した。ベースラインにおいて一度、コーヒー摂取量を調べた(566401人がアンケートに全て答えた。アンケートの不備、コーヒー摂取量の記載漏れ、基礎疾患の存在などから15760人が除外されている)。

結果:
 1995年~2008年のフォローアップにおいて、5148760人年で、男性33732人、女性18784人が死亡した。年齢補正モデルでは、死亡リスクは、コーヒー飲料者で増加していた。しかしながら、コーヒー飲料者は喫煙率が高く、喫煙状況や他の寄与因子による補正後は、有意にコーヒー飲料と死亡率との間に逆相関が確認された。コーヒー飲料を非コーヒー飲料と比較した場合の補正ハザード比は、以下の通りであった。

・男性の場合
 1杯/日未満 0.99 (95% confidence interval [CI], 0.95 to 1.04)
 1杯/日 0.94(95% CI, 0.90 to 0.99)
 2~3杯/日 0.90 (95% CI, 0.86 to 0.93)
 4~5杯/日 0.88 (95% CI, 0.84 to 0.93)
 6杯/日以上 0.90 (95% CI,0.85 to 0.96)(P<0.001 for trend)
・女性の場合
 1杯/日未満 1.01 (95% CI, 0.96 to 1.07)
 1杯/日 0.95 (95% CI, 0.90 to 1.01)
 2~3杯/日 0.87 (95% CI, 0.83 to 0.92)
 4~5杯/日 0.84(95% CI, 0.79 to 0.90)
 6杯/日以上 0.85 (95% CI, 0.78 to 0.93) (P<0.001 for trend)

 原因特異的死亡において有意差がみられたものの、癌による死亡との逆相関は確認されなかった。
※この試験において登録された特異的死亡は以下の疾患
cancer (ICD-9, 140–239; ICD-10, C00–C97 and D00–D48), heart disease (ICD-9, 390–398, 401–404, 410–429, and 440–448; ICD-10, I00–I13,I20–I51, and I70–I78), respiratory disease (e.g., pneumonia, influenza, chronic obstructive pulmonary
disease, and associated conditions) (ICD-9, 480–487 and 490–496; ICD-10, J10–J18 and J40–J47), stroke (ICD-9, 430–438; ICD-10, I60–I69), injuries and accidents (e.g., accident, suicide, and homicide) (ICD-9, 800–978; ICD-10, V01–X59, Y85–Y86, U03, X60–X84, Y87.0, U01–U02, X85–Y09, Y35, Y87.1, and Y89.0), diabetes (ICD-9, 250; ICD-10, E10–E14), infections (e.g., tuberculosis, septicemia, and other infectious and parasitic diseases) (ICD-9, 001–139; ICD-10, A00–B99)
 サブグループ解析において、非喫煙者やベースラインにおいてvery good to excellent healthの参加者でも同等の結果が得られた。

結論:
 大規模プロスペクティブ試験において、コーヒー摂取量は、総死亡・原因特異的死亡との逆相関がみられた。

by otowelt | 2012-05-17 08:00 | 内科一般

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