ATS 2012:肺容積減量コイルの効果と安全性の検証

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有害事象が多すぎる気がするのだが、これは分母が101なのか53なのか気になるところである。実際の発表を聞かないとわからないが、やむをえない。

D.-J. Slebos, et al.
Lung Volume Reduction Coil Treatment For Patients With Severe Heterogeneous Emphysema, A Multicenter Feasibility Trial
ATS 2012,Session D15, May 23, Abstract 27924


背景:
 肺容積減量コイル:Lung Volume Reduction Coil (LVRC)は、気腫を治療するためのニチノール製のワイヤーを使用した自己拡張型気管支鏡デバイスである。重度の上葉の気腫に対する過去の単施設パイロット試験では、安全性と効果が確認された。このスタディにおいては、多施設における重度の気腫に対するLVRCの安全性と効果についてコホート試験をデザインした。

方法:
 53人の患者(29F/24M, 61.5yrs (±7.2))が登録された。臨床的特徴は、一秒量30.2%pred (±6.7%), 残気量243%pred (±52%), 残気量/全肺容積 66.2 (±9.5), SGRQ 62.3 (±12.6)であり、気管支鏡下においてLVRC(PneumRx, USA)を片側あるいは両側の肺に施行した。安全性はすべての有害事象を検証することで、効果については質問票、呼吸機能検査、運動試験を治療後6ヶ月目に施行した。

結果:
 101のLVRCがおこなわれた(46:両側, 9:片側)。40人の患者が上葉に治療され、13人が下葉に治療された。合計1070のコイルが設置され、中央値では1施行あたり10コイル(range 8-14)であった。30日未満の有害事象は、COPD急性増悪(n=11), 肺炎(n=8), 気胸(n=3), 胸痛(n=9),微小血痰(n=23)であった。30日~6ヶ月の有害事象としては、COPD急性増悪(n=21)、肺炎(n=11)、気胸(n=3), 胸痛(n=3), 微小血痰(n=1)がみられた。LVR-コイル治療6ヶ月時において、ΔFEV1 +13% (±4.9%), ΔRV -0.44L (±0.16), Δ6MWD +35m (±12) 、ΔSGRQ -10 points (±2.3)という結果が得られた。ベースラインにおけるRV%predは、有意に治療後のRVと関連していた(r2=0.453, p<0.0001)。ベースラインにおいてカットオフポイントとしてRV>220%predを使用すると、6ヶ月時結果はΔFEV1 +19% (±6.8%), ΔRV -0.57L (±0.21), Δ6MWD +42m (±14),ΔSGRQ -14 points (±3.1)であった。

結論:
 LVRCにおける気腫治療は有意に呼吸機能や運動耐容能、QOLを向上させる。ベースラインにおける高い残気量は、良好なアウトカムと相関する。

by otowelt | 2012-05-24 20:31 | 気管支喘息・COPD

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