ATS 2012:COPD患者におけるブデソニドの肺炎上昇リスクはなし

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D. Sin, D, et al.
An Update On The Risk Of Pneumonia Related To Budesonide Use In COPD: Pooled Analysis
ATS 2012, Session B41, May 21 ,Abstract 2945


背景: 
 COPDのける吸入ステロイド薬が肺炎リスクを増加させるのではないかと考えられている。しかしながら、2009年におけるわれわれの7試験でのメタアナリシスにおいて、ブデソニドを使用するCOPD患者で肺炎リスクは上昇しないことと報告した。

目的:
 最近の大規模試験を追加し、8つの試験データを解析した。

方法:
 8試験は、試験期間が最低6ヶ月以上であり、ブデソニド単剤もしくはブデソニド/ホルモテロール配合剤を使用するCOPD患者群と、コントロール群として吸入ステロイド薬を使用しない患者群とを比較検討した二重盲検試験である。有害事象、重篤有害事象をフォローアップした。最低3ヵ月ごとの肺炎の発症状況を記録。

結果:
 ブデソニドの吸入量は1日当たり320μgから1280μg。全例FEV1/ FVC<0.7のCOPD患者で、1試験を除くと、喫煙歴は≥10pack・yearsであった。患者8260人のうち4616人がブデソニド群(単剤または配合剤)、3644人がコントロール群に割り付けられた。患者背景に2群間の差はみられなかった。
 ブデソニド群とコントロール群との間に、12ヶ月間の治療期間中有害事象として発生した肺炎リスクに有意差はみられなかった(ブデソニド群3.9%、コントロール群3.3%)。ブデソニド群の肺炎発症のハザード比は1.12(95% CI: 0.89-1.42)で、重症有害事象として発生した肺炎のハザード比は1.01(95% CI: 0.72 – 1.42)であった。肺炎発生までの期間は、2群間に差はみられなかった(有害事象p=0.30、重篤有害事象p=0.926)。
 ブデソニドとホルモテロール配合剤を使用した3試験を解析すると、高用量群と低用量群の間においても肺炎リスクは変わらなかった。

結論:
 8試験によるメタアナリシスによれば、ブデソニドによってCOPD患者の肺炎リスクは上昇しない。

by otowelt | 2012-05-25 07:06 | 気管支喘息・COPD

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