ATS 2012:ALK陽性腺癌患者にEGFR、MET遺伝子変異を合併することがある

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J.M. Boland, et al.
MET And EGFR Mutations Identified In ALK Rearranged Pulmonary Adenocarcinoma: Molecular Analysis Of 25 ALK-Positive Cases
ATS 2012


背景および方法:
 肺腺癌患者の5%の症例においてALK再構成がみられるとされており、クリゾチニブが治療選択肢として近年注目を集めている。われわれは、ALK陽性患者における他の遺伝子変異の合併例を検索した。
 FISHによりALK再構成がみられた25症例において、他の遺伝子の合併がいないかを調べた。10の遺伝子:EGFR, KRAS, BRAF, ERBB2, JAK2, AKT1, AKT2, KIT, MET、PIK3CAを検索。遺伝子シークエンスにより陽性結果を確定させた。

結果:
 25人のALK陽性症例のうち5人(20%)に追加で遺伝子異常がみつかった。1人は(4% of ALK+ cases)はEGFR del L747-S752であり、他の4人(16% of ALK+ cases)はMET遺伝子変異でそのうち2人がMET N375S、残りの2人がMET R988Cであった。他の遺伝子変異合併はみられなかった。

結論:
 ALK陽性腺癌患者においてMETやEGFRの遺伝子変異を合併する症例がみられたが、KRAS, BRAF, ERBB2, JAK2, AKT1, AKT2, KIT,PIK3CAについては確認されなかった。EGFRよりもMET変異の方が多かった。ALK陽性患者にMET遺伝子変異を共存するような場合の治療戦略を考慮する上で、さらなる研究が必要であろう。
 この報告は、ALK阻害薬の耐性がいずれ出現した時に役立つ報告となるだろう。

by otowelt | 2012-05-25 18:11 | 肺癌・その他腫瘍

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