サコマノ法の考案者:Geno Saccomanno

e0156318_7271658.jpgSaccomanno G, et al. Concentration of carcinoma or atypical cells in sputum. Acta Cytol 7:305-310, 1963.

 蓄痰法の代表的な方法であるサコマノ法(Saccomanno's Fixative Procedure)は、呼吸器内科医であればご存知のことと思います。上記の論文は1963年に発表されたSaccomanno医師による論文です。Saccomannoは、扁平上皮化生を4つの異型度に分類(異型なし、軽度異型、中等度異型、高度異型)し、ウラニウム鉱の鉱失の喀痰を長期に追跡しました。

 Geno Saccomannoは、ユタ州Moabに1915年に生まれました。St. Louis大学で病理学を学んだのち、生まれ故郷に近いコロラド州Grand JunctionのSt. Mary's hoispitalの病理医として1948年赴任しました。西部コロラド州、東部ユタ州において精力的に病理医として活躍し、中枢性の肺癌における喀痰細胞診技術を確立した。肺癌の世界では当時彼を知らぬ者はいなかったと言われています。

 その後Grand Junctionで妻のVirginiaと生涯をともにした。St. Mary's Hospital Cancer Research Instituteを1993年に開設しました。1997年にこの施設をthe Saccomanno Research Institute に改名しました。彼は、1999年7月10日に逝去しました。

・Saccomanno Research Institute
 Wellington 4 Building 2530 North 8th Street, Suite 100 Grand Junction, CO


 Saccomanno法は、喀痰の粘液を除去しすることで細胞成分を高密度に集めて細胞診を行おうとする手法であり、1963年に考案されました。従来の自然喀出法では、3日以上の連続検痰が必要で、喀出後できるだけ早く塗抹固定する必要がありましたが、Saccomanno法は保存性の面で優れており当時の呼吸器内科医にとって画期的であした。Saccomanno法は、50%エタノールと2%ポリエチレングリコール20mlを混入した喀痰保存用容器を用いて採取されます。良悪性の判定にはよいのですが、組織型判定はしばしば困難となることもあります。

 近年は、YM式喀痰固定液などの登場によりオリジナルSaccomanno法ではない集痰法が主流となりつつあります。たとえばYM式は細胞変性(収縮、膨化)がないこと、Saccomanno法で使用するHigh Speed Mixerを必要としないため、集団検診での複数検体処理に有用です。




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<偉人たち>
Ziehl-Neelsen染色の考案者1:Franz Ziehl
Ziehl-Neelsen染色の考案者2:Friedrich Carl Adolf Neelsen
Boerhaave症候群の提唱者:Herman Boerhaave
Pancoast腫瘍の提唱者:Henry Pancoast
Clara細胞の発見者:Max Clara
サコマノ法の考案者:Geno Saccomanno
Mendelson症候群の提唱者:Curtis Lester Mendelson
Hoover徴候の提唱者:Charles Franklin Hoover
Gram染色の発見者:Hans Christian Joachim Gram

by otowelt | 2012-05-30 07:28 | コラム:医学と偉人

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