肺M.intracellulare症は肺M.avium症よりも重症で予後が不良

呼吸器内科医にとっては、純粋に面白い論文。

Won-Jung Koh, et al.
Clinical Significance of the Differentiation between Mycobacterium avium and Mycobacterium intracellulare in M. avium Complex Lung Disease
CHEST May 2012 , in press


背景:
 Mycobacterium aviumおよびMycobacterium intracellulareは、いずれもM. avium complexとして分類されている。しかしながら、これらの菌の臨床的な違いについてはよくわかっていない。このスタディは、M. aviumおよびM. intracellulareの臨床的な特徴と予後について比較したものである。

方法:
 2000年から2009年まで合計590人の新規にM. avium complexによる肺疾患と診断された患者を登録した。323人(55%)がM. aviumであり、267人(45%)がM. intracellulareであった。

結果:
 肺M. avium症の患者と比較すると、肺M. intracellulare症は以下のような特徴がみられた。すなわち、比較的高齢者であること(64 vs. 59 years, P = 0.002)、BMIが低いこと(19.5 vs. 20.6 kg/m2, P < 0.001)、咳嗽などの呼吸器症状が多いこと(84 vs. 74%, P = 0.005)、過去の結核既往歴が多いこと(51 vs. 31%, P < 0.001)、線維空洞型が多いこと(26 vs. 13%, P < 0.001)、喀痰抗酸菌塗抹陽性が多いこと(56 vs. 38%, P < 0.001)、フォローアップ24ヶ月の間の抗菌薬使用(58% vs. 42%, P < 0.001)、併用抗菌薬療法後の微生物学的な反応性不良(56 vs. 74%, P = 0.001)。

結論:
 肺M. intracellulare症は、肺M. avium症の患者と比較すると重度の症状と治療反応不良と関連していた。そのため、これらの菌における違いが予後や治療に寄与するかもしれない。

by otowelt | 2012-05-30 15:28 | 抗酸菌感染症

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