ペグフィルグラスチムによる骨痛にナプロキセンが有効

ペグフィルグラスチムとは、フィルグラスチム(グラン)にポリエチレングリコール(PEG)を結合したものである。商品名は是非ペグランにしてほしい。

Jeffrey J. Kirshner, et al.
Prevention of Pegfilgrastim-Induced Bone Pain: A Phase III Double-Blind Placebo-Controlled Randomized Clinical Trial of the University of Rochester Cancer Center Clinical Community Oncology Program Research Base
J Clin Oncol 30:1974-1979


目的:
 ペグフィルグラスチムによる骨痛はペグフィルグラスチムの継続ができないだけでなく、ひいては化学療法の効果的な用量を減量するような事態にもつながるため、臨床的に重要な問題である。ペグフィルグラスチムによる骨痛に対する介入が必要であると考えられる。

患者および方法:
 The University of Rochester Cancer Center Clinical Community Oncology Program Research Baseにおいて実施。適格基準は、nonmyeloid cancerの18歳以上の癌患者で、化学療法時初回ペグフィルグラスチム使用したものとした。ランダムに17施設510人の患者を、ペグフィルグラスチム投与初日からナプロキセン(500mg1日2回)とプラセボに割り付けた。これをペグフィルグラスチム投与5~8日まで続けた。錠剤は食事とともに摂取され、ペグフィルグラスチムとプラセボの16錠入りのボトルを使用した。
 ベースライン時およびペグフィルグラスチム投与時には質問票で患者データがとられ、紙ベース、e-mail、電話などで聴取した。患者は疼痛の重症度(using a scale of 0 to 10)が記録され、日記をつけてもらった。プライマリアウトカムは、初日から5日目までの疼痛に対するAUCとした。台形型求積法を用いて計算した。セカンダリアウトカムは、疼痛を惹起するリスク因子の同定とナプロキセンの反応性とした。

結果:
 患者の平均年齢は55.6歳であり、86%が女性であった。68%の患者が乳癌であり、10%が肺癌患者であった。疼痛は3日目にピークをむかえた。
 疼痛に対する平均AUCはプラセボ群で7.71であり、ナプロキセン群で6.04であった(P =.037)。ナプロキセンは最大疼痛を3.40から2.59へ減少させた(P= .005)。ナプロキセンは全疼痛頻度も71.3%から61.1%へ減少させた(P= .020)。疼痛期間についても2.40日から1.92日へ減少(P=.009)させた。重度の疼痛(>5 on a scale of 1 to 10)についても27.0%の頻度から19.2%へ減少させた(P=.048)。
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 サブグループ解析において、African Americanの患者は白人患者に比べてより骨痛を訴えた(African American patients, 10.2; 95% CI, 7.08 to 13.32 v white patients, 6.48;95% CI, 5.69 to 7.28)。しかしながら、小グループ解析であり疼痛を予測するリスク因子については本試験においては明らかにできなかった。

結論:
 このIII相ランダム化プラセボ対照試験により、ナプロキセン500mg1日2回の投与は、ペグフィルグラスチムによる骨痛の頻度と重症度の軽減に有用であることがわかった。

by otowelt | 2012-05-31 19:59 | 肺癌・その他腫瘍

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