ASCO 2012速報:まれなEGFR遺伝子変異とcomplex mutationのEGFR-TKI反応性

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JTOでも報告されているcomplex mutationだが、この報告は純粋に規模が大きく解析が詳しい報告である。complex mutation7.6%という数字は妥当なところであろうか。
(参照)・Del-19+L858RのEGFR complex mutationは、ゲフィチニブの利益が大きい

Bhumsuk Keam, et al.
Rare and complex mutations of epidermal growth factor receptor (EGFR) and efficacy of tyrosine kinase inhibitor (TKI) in patients with non-small cell lung cancer (NSCLC)
ASCO 2012, Abstract #7566


背景:
 exon 19 deletionやL858R point mutation以外にも多くの遺伝子変異や複合遺伝子変異(complex mutation)がある。このスタディの目的は、まれな遺伝子変異やcomplex mutationについての臨床的重要性をEGFR-TKIを使用した患者において明らかにするものである。

方法:
 まれな遺伝子変異についてはexon 19 deletion、L858R mutation、T790M以外のものとした。complex mutationは、二つの異なるEGFR変異が1つの腫瘍検体から得られるものと定義した。われわれは、ソウル国立大学病院において2002年1月から2011年12月までの間、ゲフィチニブあるいはエルロチニブを投与された連続した患者を解析した。

結果:
 1159人のEGFR-TKI治療をおこなった患者のうち、301人がEGFR変異陽性であった(177 patients (58.8%) with del-19, 104 patients (34.6%) with Leu858Arg, and 20 patients (6.6%) with rare MT)。23人(7.6%) のcomplex mutationが確認され、55人(18.3%) はGln787Gln polymorphismをL858Rに合併していた。まれな変異については以下のものが同定された。
 ・exon 18: Leu692Phe, Glu707Lys, Glu709Gly, Lys714Asn, Gly7Ala, Thr725Thr
 ・exon 19: Ala755Asp Lys737Thr
 ・exon 20: Val786Met
 ・exon21: Ala871Gly, Gly873Gln, Leu833Val, Val834Leu, Arg836Cys, Pro848Leu, Ala859Thr, Leu861Gln

 3群に分類し、group A: 古典的変異単独群, group B: complex mutation+古典的変異, group C: まれな変異単独あるいはまれな変異とのcomplex mutation、解析をおこなった。TKIに対するRRは、3群で異なった(RR= 78.7% in group A vs. 69.2% in group B vs. 38.5% in group C, respectively, P < 0.001)。PFSについてはまれな変異において短いものであった(median PFS: 12.1 mo vs. 7.6 mo vs. 2.1 mo, respectively, P= 0.020,)。exon21のGln787Gln polymorphism は、RRやPFSとは相関していなかった (P= 0.101, P= 146, respectively)。

結論:
 exon 19 deletionやL858R以外のまれな遺伝子変異がみられる非小細胞肺癌はEGFR-TKIの反応性が乏しかった。しかしながら、古典的な変異とともにみられたcomplex mutationは、古典的な変異単独と比較しても良好なEGFR-TKI反応性であった。

by otowelt | 2012-06-03 09:21 | 肺癌・その他腫瘍

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