ASCO 2012速報:若年肺腺癌においてEGFR exon 19 deletionが多い

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日本からの発表。

Eri Sugiyama, et al.
Higher incidence of EGFR exon 19 deletion in younger (age 40 or younger) patients with adenocarcinoma of the lung.
ASCO 2012, Abstract #7044


背景:
 40歳以下の肺癌患者の頻度は2~5%程度といわれている。もっともよくみられる組織型は腺癌であるが、病理学的・分子学的特長についてはほとんどわかっていない。

方法:
 1992年7月から2011年4月までの間、7443人の患者が国立がん研究センター東病院において肺癌と診断され、165人(2.2%)が40歳以下であった。この患者群のうち、44人の腺癌患者が外科的切除をうけた。加えて、185人の40歳を上回る患者で外科的切除を受けたものを性別、喫煙でマッチしてコントロール群に登録した。

結果:
 40歳以下の患者群において年齢中央値は37歳(range, 21 to 40 years)であり、40歳を上回る患者群においては68歳(range, 42 to 83 years)であった。2群間において、病理学的組織について差はみられなかった(lepidic; 31.8% vs. 26.5%, papillary; 34.1% vs. 37.3%, acinar; 9.1% vs. 16.2%, and solid; 25.0% vs. 20.0%, p=0.78)。またEGFRの頻度も同等であった(40.9% vs. 45.9%; p=0.55)。しかしながら、signet-ring cell componentについては、若年群に有意に多くみられた(11.4% vs. 0%; p<0.01)。EGFR exon 19 deletionの頻度についても有意に40歳以下の患者群において多くみられてたが、exon 21 L858Rについては40歳を上回る患者群において多くみられた(exon 19 del; 31.7% vs. 18.9%, L858R; 4.6% vs. 25.4%, p=0.0091)。EGFR wild typeであった17人の腺癌のうち3人がALK陽性であった。

結論:
 肺腺癌の若年患者では有意にEGFR exon 19 deletionジェノタイプが多く、signet-ring cell componentの頻度も高かった。EGFR exon 19 deletionジェノタイプは、若年肺腺癌の病理学的機序に関与している可能性がある。

by otowelt | 2012-06-03 14:10 | 肺癌・その他腫瘍

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